京都府は、国が進める淀川水系の河川整備に対して地元自治体の意見を反映させるため、知事と木津川、桂川宇治川流域の府内18市町村長で構成する「府流域自治体会議」を今春に発足させる。国の大戸川ダム(大津市)凍結をめぐり、府と下流市町が対立した反省も踏まえ、具体的な整備の進め方や河川管理の課題を議論し、地域の意見集約の場として位置づける。
 国が昨年3月に淀川水系河川整備計画を策定した際、京都府滋賀県大阪府などが「地域のことは地域で決める」との考え方を示した4府県知事合意に基づいて設立する。
 自治体会議では、水害に備えたソフト対策や河川空間の利用、自然環境の保全など共通課題を議論する。桂川宇治川、木津川それぞれの整備課題について検討するワーキングチームも置く。6日に関係首長が準備会を開き、運営のあり方を協議する。同会議でまとめた意見は、淀川水系の課題解決に向けて京都、滋賀、大阪の3府県知事が国土交通相に共同提案し、新年度の設立を目指している「流域自治会議(仮称)」にも反映させる方針。
 国の整備計画策定では、大戸川ダムの必要性を訴える流域自治体と、ダム建設より河川改修を優先させるべきと主張した府県との間で意見が分かれた。府河川課は「河川整備を進めていく上でも事業の優先順位などについて地域の意見を聞き、共通認識を持つことが大切」としている。

本記事では,京都府において,「木津川,桂川宇治川流域」の「18市町村長」から構成される会議体を設置する方針を紹介.詳細は,現在までのところ,同府HPには掲載されていない模様,残念.掲載後,要確認.
本記事にも紹介されているように,「流域自治体会議」は,2009年10月20日付の京都新聞にて報道されている「淀川水系流域の府県や市町村の首長」から構成され,「学識者や住民の意見を参考にしながら河川管理の方法や上下流の利害調整,河川整備計画の策定などを話し合う」会議体である「流域自治会議」*1の設置に対して,2010年3月5日付の読売新聞による報道によると.「府としての意思統一を図るのが狙い」*2の模様.
「流域自治会議(仮称)」自体が,その構成を想定されている自治体間において「一から一緒に考えましょうという提案」*3であることからすれば,各市町村が位置する府県区域を越えて「流域自治会議(仮称)」の「場」*4において審議を図る手法もまた想定されなくもないものの,本記事でも紹介されているように,まずは,府域内での「意見集約の場」として設置.「流域自治」に関する「共通認識」を集約するために,既存の府県「区域外」の設置が想定される「流域自治会議(仮称)」の他府県の「区域内」においても,同府のように二層の会議体が設置されることになるかは,要経過観察.

*1:京都新聞(2009年10月20日付)「「流域自治会議」設置を表明  琵琶湖・淀川水系3府県、国交相に

*2:読売新聞(2010年3月5日付)「淀川水系 府流域自治体会議設置へ

*3:滋賀県HP(インターネット知事室知事の会見録)「知事定例記者会見(10月27日)

*4:金井利之「「国と地方の協議の場」の成立と蹉跌」森田朗・田口一博・金井利之編著『分権改革の動態』(東京大学出版会,2008年)99頁

分権改革の動態 (政治空間の変容と政策革新)

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