「MI2」プロジェクト始動−。築約五十年の二十三区で最も古い庁舎を使用する豊島区は二十七日、新庁舎の概要を発表した。建築家・隈研吾氏らによる設計で、上層階は民間マンションになる。建設予定地が同区南池袋二丁目にあることから、事業は「MI2」プロジェクトと名付けられた。 (沢田千秋)
 地下三階地上四十九階建て。マンション併設に関して、高野之夫区長は「画期的で大胆な全国初の庁舎建築ではないか」としている。新庁舎は二〇一一年に着工し、一四年末に完成予定で、総事業費は約四百億円。建設予定地は、現在の庁舎から南へ約六百メートルの区立日出小学校跡地と周辺民家などで、建設は市街地再開発事業の一環。総事業費のうち、国の補助金と上層部のマンション購入業者負担分以外の約百十億円を区が支払う。財源は、現在の本庁舎、分庁舎の敷地約六千八百平方メートルの借地料二十五年分を前倒しで徴収することでまかない、税収は充当しない。庁舎建設室は「現庁舎は池袋の一等地にあるので、賃料は見込める」と話す。
 新庁舎の最大の特徴は、壁面のエコヴェール。ヴェールは植樹パネルや透明の太陽光パネル、木製パネルなどで、日よけや発電、緑化などの役割を果たす。隈さんは「温暖化防止に貢献するだけでなく、時間や季節ごとに表情を変える」と紹介。また、四、六、八、十階には庭園ができる予定で、子供たちの環境や食育の場として活用できるという。
 高野区長は「現在の庁舎は非効率で震災対策も全くとれていない。新庁舎が区民の安心、安全の中心になれば」としている。

本記事では,豊島区における新庁舎の概要が発表されたことを紹介.同記者会見の概要は,同区HPを参照*1.設計案については,現在のところ,把握できず,残念.
2008年5月16日付の本備忘録にて取り上げた同区における新庁舎構想.その後,同区では,『新庁舎整備基本計画』*2を,2009年11月に策定.同記者会見では『基本設計案』が紹介された模様(設計案の詳細は,是非拝見したいですね).
2008年12月7日付の本備忘録において項目立てを行った本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ「庁舎管理の行政学」における「第5章:財源としての庁舎」の観点からは,「上物」*3としての「賃料」収入が想定されなくもない.また,「第4章:執務と憩いの空間としての庁舎」の観点からは,『新庁舎整備基本計画』段階では,「約410戸」*4が見込まれており,その場合,庁舎空間での「執務」と「憩い」のみならず,住居休館において,一部の職員の方は(個人住居としては勿論,災害対策用として),「住まう空間」として「庁舎」が利用されることも想定されそう.利用状況もまた,興味深そう.要確認.

*1:豊島区HP(広報報道発表平成22年4月)「 区新庁舎基本設計発表!

*2:豊島区HP(区政情報新庁舎整備の検討状況新庁舎整備基本計画)『新庁舎整備基本計画』(豊島区,平成22年11月)

*3:渡辺武信『住まいのつくり方』(中央公論新社,2004年)115頁

*4:前掲注2・豊島区(新庁舎整備基本計画)7頁