政府の「子ども・子育て新システム検討会議」(共同議長・仙谷由人国家戦略相、福島瑞穂少子化相、枝野幸男行政刷新相)は27日、初会合を開き、厚生労働省所管の保育所文部科学省所管の幼稚園を「こども園」(仮称)として統一する方針を打ち出した。実態にそぐわない保育所の利用要件を撤廃し、子育て関連の補助金や給付金なども一本化する。ただ具体化にはハードルが多く、計画実現にはなお不透明さも残る。
 こども園への統一は、保育所にはパートタイマーの子は入りにくいといった実態を解消し、約4万6千人(2009年10月時点)いる待機児童を減らすのが狙い。11年通常国会に関連法案を提出し、13年までに段階的に実施する。政府は1月の「子ども・子育てビジョン」で保育所の定員を今後5年間で26万人増やす目標を定めている。
 現在、子育て施設としては保育所と幼稚園、幼保の機能を持つ認定こども園の3種類ある。現行制度は残しつつ、子どもの年齢制限の違いや保護者の就労形態による利用制限をそれぞれなくしていく。保育所指針と幼稚園の教育要領を統一し、将来的には厚労省文科省の関連部局を統合する「子ども家庭省」(仮称)を創設する方針も確認した。
 補助金や給付金に関しては、厚労省文科省が別々に支出していたものを「子ども・子育て基金」(仮称)に統一し、市町村を通じて支払う仕組みとする。予算を現金給付に充てるか、子育て施設の整備などに使うかなどの選択も市町村が独自に判断できるようにする。
 同会議は3閣僚のほかに、川端達夫文部科学相長妻昭厚生労働相ら関係閣僚で構成。1月から政務官クラスの作業部会で関係者からヒアリングし、論点をまとめた。日本では保育所福祉施設、幼稚園は教育施設との位置付け。一方で親の働き方や子育てに関するニーズは多様化し、幼保の役割を分ける制度は意味を失いつつある。ただ、今回出した方針には理想論を掲げた印象もぬぐえない。幼保の一元化を巡っては厚労省文科省がなお対立している。財源確保の具体策や、実施に向けた工程表も明らかになっていない。省庁の縦割りを崩し、国を挙げて取り組む決意を問われる。

本記事では,内閣府に設置された子ども・子育て新システム検討会議の第1回会合の結果を紹介.
同会議,同府HPには,会議についての案内が紹介されつつも「作業グループ」*1における検討状況は,公開されつつも,同会議の開催状況把握できずにおり,何故なのかなあ,と思っていたところ,2010年4月27日の開催が第1回とのこと.同会議の同回配布資料等については,現在のところ,公開されていない模様,残念.公開後,要確認.
本記事では,「厚生労働省所管の保育所文部科学省所管の幼稚園を「こども園」(仮称)として統一する方針」に加えて,更に「将来的には厚労省文科省の関連部局を統合する「子ども家庭省」」とする方針も示されたことを紹介.同日に開催された地方主権戦略会議において提出された配布資料*2では,その「括り方」は 「できる限り大きいブロックに括るべき」とされており,2010年4月27日付の朝日新聞による報道では,「省庁横断型」*3とも解されている.政策領域別の一括交付金において,複数の省庁にまたがる場合,補助金は一元化しつつも,その所管が複数省庁による分担管理の路線を選択されるのではなく,長期的には,既存の省庁体系を「統合」*4され,補助金・組織ともに一元化することで「組織の形を整える」*5路線も検討されているとのことなのだろうか.興味深い.
なお,同回の同会議では,共同通信の配信記事を拝読すると,「子ども手当の金額」に関しては,「最低額を国が定めるが,それ以外の財源を手当の上乗せに充てるかサービス給付に回すか,市町村が判断する」*6こととする方針であることも検討された模様.この場合,「子ども手当」という,「子ども手当」事業の範囲内の事業として位置付けられるとの理解が適当であるのか,下名個人としては今一つ整理ができてはおらず,今後の資料公開及び検討状況は,要確認.