福井県は4月から、本庁舎の壁面や柱などに企業などの広告掲示スペースを設ける。県有施設を有効活用して歳入確保につなげる一環。県財産活用課によると、既に約30の都道府県が同様の取り組みを行っているという。
 掲示スペースとして、県庁1階の県庁ホール横の壁面や食堂の柱、地下1階のエレベーターホール前など12カ所を設定した。初回の使用許可期間は4月1日から2012年3月末までの1年間で、12年度以降も継続する方針。広告主や内容には一定の要件を設ける。県はこれまで、ホームページや広報誌で企業などの広告を掲載している。同課は「11年度の実績を踏まえ、スペースや出先機関建物への拡大を検討する。今後も、いろいろな形で歳入確保に努めたい」としている。掲示スペースを取り扱う広告代理店を3月17日から22日まで受け付け、使用料の見積もりが最も高い代理店に広告主を募集してもらう。代理店の希望者は4日までに事前説明を受けるよう求めている。問い合わせは同課財産管理グループ=電話0776(20)0251。

本記事では,福井県における庁舎での広告掲示の取組を紹介.同取組の詳細に関しては,同県HPを参照*1
「応募資格」としては,「地方自治法施行令」「第167条の4第1項の規定に該当しない者であること」,同「政令第167条の4第2項の規定に該当しない者」であること,「民事再生法」の「規定による再生手続開始の申立て,会社更生法」の「規定による更生手続開始の申立てまたは破産法」の「規定による破産開始手続の申立てが行われている者でないこと,「公共の安全および福祉を脅かすおそれのある団体または公共の安全および福祉を脅かすおそれのある団体に属する者でないこと,「自ら管理・運営する広告代理業務を3年以上営んでいること」,「県税の滞納がないこと」が要件とされている.これらの要件を満たすものが応募された後,「福井県が定める最低使用料以上で最高の価格をもって応募した者」を「選定」され,「広告掲出期間」は「1年間」とされている.
2008年6月24日付の本備忘録以降,本備忘録でも個々別々に取り上げた,2006年の地方自治法改正(第238条の4第4項)に伴う行政財産の貸付範囲拡大に基づく同取組が,本記事を拝読させて頂くと,「既に約30の都道府県」において採用されていることが分かり,2008年12月7日付の本備忘録にて項目立てを試みた本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ,「庁舎管理の行政学」における「第5章:財源としての庁舎」としても参考となる.ただ,同取組の量的な波及の一方で,「政策内容の発展と進化」*2が窺うことができるか,要確認.

*1:福井県HP(組織別情報財産活用課)「福井県庁舎における広告取扱事業者を公募します。

*2:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),254頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)