袋井市の広報紙作りに２人の市民編集員が加わった。５月から「広報ふくろい」１日号の２ページ分を担当し、企画立案から取材、編集まで携わる。市によると、他の自治体ではあまり聞かない珍しい取り組みだという。 （河野貴子）
一方通行の情報伝達にならないよう、市民感覚で分かりやすい広報紙を作るとともに、市が打ち出す「市民と行政のパートナーシップによるまちづくり」を進めようと始まった。市民が求める情報を敏感に感じ取り、広報紙に反映してほしいと期待がかかる。編集員は小関裕子さん（４５）＝神長＝と谷口史恵さん（３４）＝春岡。市の公募に名乗りを上げた。
昨年秋から３カ月間試行し、４月から編集員になった。臨時職員として月１０日程度勤務。賃金は２人合わせて年間約９２万円。小関さんらは編集経験がなく、秘書広報課職員が企画の立て方から写真撮影、記事の書き方や見出しのつけ方、パソコンを使った編集まで手ほどきした。７月１日号では家庭での節電対策や袋井茶のおいしい飲み方などを紹介。小関さんらは「皆さんが広報ふくろいを身近に感じ、袋井を好きになるための役に立てたら」と意欲を語る。
本記事では，袋井市における広報誌の取組を紹介．広報誌の作成における「市民編集員」の取組．同市の同誌では，「市民編集員」により，「市民編集員がお伝えします Citizen's Eye」というタイトルで，企画，作成，編集をされたページを掲載．同誌に関しては，同市HPを参照*1．「平成23年5月1日号」では「パートナーシップ」*2に関して，本記事で紹介されている「平成23年7月1日号」では「家庭の節電」*3を掲載されている．
「自治体広報の構造」における「自己所有の独自の媒体，とりわけ「広報紙」に対する依存度の高さ」*4が現存するとしても，「政府の行政活動が独占するできるものではなく，様々な社会のレベルで行われ」「局処的な情報ネットワークの存在」*5するとすれば，その伝達内容も，単なる自治体行政側からの「浸透」*6に止まらない紙面への取組とも整理ができそう．なるほど．
*1:袋井市HP（目的別でさがす：行政情報：広報ふくろい）「平成２３年度 広報ふくろい」
*2:袋井市HP（目的別でさがす：行政情報：広報ふくろい：平成２３年度 広報ふくろい）「広報ふくろい」，No122，平成23年5.1，26−27頁
*3:袋井市HP（目的別でさがす：行政情報：広報ふくろい：平成２３年度 広報ふくろい）「広報ふくろい」，No124，平成23年7.1，18−19頁
*4:井出嘉憲『行政広報論』（勁草書房，1967年）90−91頁 行政広報論 (1967年) (東京大学社会科学研究所研究叢書〈第25冊〉)
*5:城山英明「情報活動」森田朗編『行政学の基礎』（岩波書店，1998年）281頁
*6:井出嘉憲『日本官僚制と行政文化』（東京大学出版会，1982年）54頁 日本官僚制と行政文化―日本行政国家論序説 (1982年) (東京大学社会科学研究所研究叢書〈第52冊〉)
