京丹波町はこのほど、「つぶやき」のような短い文章をインターネットに投稿する「ツイッター」を使った情報発信を始めた。身近な話題をこまめに発信し、町への注目度アップにつなげる。
 ツイッターは、140字以内の文章を投稿してネットで公開するサービスで、アクセスすれば誰でも見ることができる。利用する企業やタレント、政治家も多い。
 町は、企画政策課と瑞穂、和知の両支所に計4人の「つぶやき担当職員」を配置し、11日から1日数件を投稿している。長老ケ岳などの名所やイベント情報のほか、女優の観月ありささんが町内で映画撮影をした、といった身近なまちの話題を紹介している。
 ツイッターを使う自治体は徐々に増えており、府内では伊根町に続いで2例目。地域の活性化に結びついたケースもあり、鳥取県米子市は、市のイメージキャラになりきった職員が1日100件を超える「つぶやき」を投稿。キャラグッズが売り出され、人気を集めている。伊根町でも、導入後に「ふるさと納税」の額が増えたという。京丹波町企画政策課は「手探りだが、多くの人に京丹波を知ってもらえるチャンス。ネットで生まれる縁に期待しています」と話している。同町の「つぶやき」は、町ホームページ内の「京丹波町twitter(ツイッター)」から閲覧できる。

市役所からのお知らせを、つぶやきます――。淡路市は、イベントや行政情報をより早く、詳細に発信しようと、ネット上の無料通信媒体「ツイッター」の活用を始めた。市の主催行事や募集の締め切り・変更などのミニ情報を担当職員が手早く書き込め、市民と共有できる利点に期待。県内の市町では初の試みという。
 市の広報は月1回発行の広報誌のほか、ホームページ、チラシなどで行っているが、「伝え切れない『ちょっとした告知』が少なくない」(情報課)という。
 例えば、▽広報誌に募集記事を載せた催し・講座が定員に達した▽行事予定が一部変更になった▽取り組む事業の進捗(しんちょく)を伝えたい――などのケースで、手頃な媒体がないために発信を控えるケースも多いという。そこで、広報の“すき間”を埋める手段として、無料で短い文章(140字以内)をいつでも書き込めるツイッターに着目。サービス企業への登録、公認を経て今月から市ホームページから接続できるようにした。市情報課が各課の情報を集約し、書き込んでいるが、担当者は「各課ごとの対応に移行したい。登録すれば市民も書き込め、広がりが出そう」と期待している。

両記事では,京丹波町及び淡路市における「ツイッター」の活用開始を紹介.下名も,遅まきながら,2010年4月25日付の本備忘録にて記録したように,本備忘録の「備忘録」用として利用させていただいているtwitter.予想外に便利な媒体(といいましても,依然として活用方法がよく分からないままではありますが).
第1記事を拝読すると,京丹後町では,「ツイッター」担当として,同町の「企画政策課と瑞穂,和知の両支所に計4人の「つぶやき担当職員」」が配置されており,第2記事を拝読すると,淡路市では「市情報課が各課の情報を集約」されたうえで「書き込んでいる」とのこと(第1記事で紹介されている京丹後町の「つぶやき担当職員」として配置される方の「資格制(メリット)」*1とはどのようなものなのだろうかと考えてみることは,下名個人的には,大変興味深いですね).
「広報をめぐっての二つの基本的な方向」として「〈頂点への集中〉と〈底辺への拡散〉」*2の傾向性が嘗ては指摘されてきたなかで,「組織の底辺の人が力をもてる」*3という,「拡散」的傾向性を内包する「伝達媒体」*4利用の機会への広がりはあるものの,自治体「内部における垂直的そして水平的な情報の壁」と各組織「間の垂直的な壁という組み合わせ」*5が存在するのであろうか,原則として,その管理は「広報主管課」*6による「集中」的運用が図られているとの整理が適当なのだろうか.興味深い.

*1:清明『公務員制の研究』(東京大学出版会,1991年)299頁

公務員制の研究

公務員制の研究

*2:井出嘉憲『行政広報論』(勁草書房,1967年)91頁

*3:上杉隆『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』(晋遊舎,2010年)44頁

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)

なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか(晋遊舎新書007)

*4:佐藤卓己『メディア社会』(岩波書店,2006年)4頁

メディア社会―現代を読み解く視点 (岩波新書)

メディア社会―現代を読み解く視点 (岩波新書)

*5:ティーブン・ゴールドスミス・ウィリアム・D・エッガース『ネットワークによるガバナンス』(学陽書房,2006年)105頁

ネットワークによるガバナンス―公共セクターの新しいかたち

ネットワークによるガバナンス―公共セクターの新しいかたち

*6:前掲注1・井出嘉憲1967年:90頁