都区制度に基づく二〇一一年度の財政調整で、都は五日、各区に対する普通交付金の交付額が決定したと発表した。総額は前年度比1・1%増の八千三百三十億一千万円。税収が豊かな港区は九年連続の不交付団体となったが、渋谷区は三年ぶりに基準となる財政収入が需要を下回り、交付団体に転じた。
 都区財調は、固定資産税や市町村民税(法人分)を都が各区に代わって徴収し、うち55%を各区に再配分する仕組み。交付金の95%が普通交付金として、各区に配分され、5%は特別交付金として、災害などの臨時的需要があったときに申請に基づき交付される。普通交付金が交付される二十二区のうち、額が一〇年度と比べ、増えたのは十四区で、減額は八区。交付額が多いのは、足立、江戸川、練馬、葛飾、大田各区の順で、前年度と同じだった。足立区には九百十二億円余が交付される。
 増額幅が最も大きかったのは世田谷区で、五十六億六千六百万円増の約三百九十七億円を交付。逆に減額幅が最も大きいのは文京区で、約三十億円減の百四十三億九千万円が交付される。渋谷区の交付額は千二百万円だった。

本記事では,東京都において平成23年度の都区財政調整交付基金の算定結果を紹介.総務省では「平成23年普通交付税の算定結果等」*1が2011年8月5日に公表されたなか,「都と特別区の間にのみ存在する固有の財政調整制度」*2の算定結果も同日,公表.同算定結果に関しては,東京都HPを紹介*3.同算定結果によると,渋谷区も交付区となったことを報道.
「普通交付金の額」は「8,330億10百万円」と「前年度と比べ」「91億8万円」と「1.1%の増」.「22区」に交付され,「前年度と比べて14区が増額」,「8区が減額」*4の状況.本記事でも紹介されているように,渋谷区へは「12,233千円」*5が交付され「平成20年度以来3年ぶりに交付区」*6化.,港区と22区とは相異があるものの,結果的に「東京市以来の一体性言説」*7という「ドクトリン」*8が,交付団体として具体化する現状となり,悩ましい.

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧)「平成23年度 普通交付税の算定結果等

*2:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『改訂版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2011年)50頁

ホーンブック 地方自治

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*3:東京都HP(これまでの報道発表2011年8月)「平成23年度都区財政調整算定結果について(要旨)

*4:前掲注2・東京都(平成23年度都区財政調整算定結果について(要旨))

*5:東京都HP(これまでの報道発表2011年8月「平成23年度都区財政調整算定結果について(要旨))「平成23年度 都区財政調整区別算定結果(当初算定)

*6:前掲注2・東京都(平成23年度都区財政調整算定結果について(要旨))

*7:大杉覚「地方自治の「東京問題」を考える」『地方自治職員研修』2007年7月号,15頁

地方自治職員研修 2007年 07月号 [雑誌]

地方自治職員研修 2007年 07月号 [雑誌]

*8:牧原出『行政改革と調整のシステム』(東京大学出版会,2009年)20頁

行政改革と調整のシステム (行政学叢書)

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