体制維新――大阪都 (文春新書)

体制維新――大阪都 (文春新書)

  • 購入理由:2010年4月23日付の本備忘録にて記録して以来,提案当初の制度の名称の語感から,地方自治法の想定内の議論かなあと思い込んでいた節もあり,皆目観察と記録を怠ってきた「大阪都」構想(論議).そのような下名でも「しっかりと勉強」(255頁)できる一冊.大阪(関西)の「成長戦略の実現」(162頁)に向けた,自治制度の改正を含むトータル・パッケージとして「都」という名称を用いた改革案であることが本書から理解できました(全く持って不勉強でした).そのようなトータル・パッケージのなかでの,自治制度のパッケージに関しては,「都市の実態に合わせて制度を選択してくことがこれからの時代には必要」(194頁)との認識,「大阪都構想も特別市構想も」「本質的には同じ話」(195頁)との整理は,一時期自治業界で広まった「一国多制度」の改革言説ともまさに符合しており(最近,余り声高に論じる方が居られなくなりましたが),大変興味深く拝読しました.第3章,第4章はこの4年間の大阪府政の記録しても貴重な一冊(「大阪府自治制度研究会」の資料を入手しておかなくてはいけませんね).