大阪市は20日、橋下徹市長の発案で公募した市内24区長に1460人の応募があったと発表した。このうち市職員は現職区長19人を含む30人で、大阪府外からの応募が756人と半数を超えた。応募が想定を上回ったため選考に時間がかかり、就任は当初の4月から秋以降にずれ込む見通し。
市総務局によると、応募者は民間の管理職経験者が多く、中小企業の役員、中央官僚、元地方議員、公認会計士などもいるという。居住地別では市内が383人で、市を除く府内が319人、東京都や福岡県など府外からも756人が集まった。特に市中心街の梅田がある北区、難波がある中央区の区長には府外からの応募が多かった。年齢層も20代から80代まで幅広く、50代が475人とほぼ3分の1を占めた。次いで60代の359人、40代が341人と続き、20代も21人いた。女性は55人。
大阪市は20日、公募していた24区長への応募者が1460人で確定したと発表した。市の想定を大きく上回ったことから、任用は4月1日の予定を遅らせ、早くても6月になる見込み。橋下徹市長は西成区長の兼務を検討するとしていたが、法的に兼務にできないことが判明したため、西成区も公募区長が任用される。
市人事課によると、応募者は市外からが約7割の1075人。区別では、淀川区(110人)▽北区(109人)▽中央区(106人)▽西成区(90人)の順で多く、東住吉区(28人)が最も少なかった。大半が男性(1402人)で、年代別では、50代(475人)▽60代(359人)▽40代(341人)▽30代(198人)の順だった。公募区長の下で来年度の区役所予算案を編成する予定だったが、橋下市長はこの日、市議会決算特別委員会で「編成には間に合わないかなと思っている。執行段階で区長の裁量が働く仕組みができれば」と述べた。【津久井達】
両記事では,大阪市における区長職公募への応募者の確定値を紹介.2011年12月20日付の本備忘録にて記録した,2011年12月19日から2012年1月11日までの間で応募されてきた同取組.最終的には,何名となるのだろうと,関心を持ってその結果の公表を待っていたところ,「1460人」の応募があったことを報道.詳細な応募結果は,同市HPを参照*1.
別紙1「大阪市区長 応募状況(確定値)」*2を拝読させて頂くと,1460名の応募があり,その内,30名が同「市職員」と,応募数に占める割合は2%と限定的.属性から見てみると「年代」では,「50歳代」が最も多く「475」名,次いで「60歳代」の「359」名,「40歳代」の「341」名が続く.その後は,「30歳代」の「198」名,「70歳代」の「55」名,「20歳代」の「21」名,「80歳代」の「3」名,そして,「不明」の「8」名となる.同職では,「組織マネジメントの経験のある人」*3が応募要件とされていたことを反映されてか,50歳代と60歳代をあわせて834名(約57.1%)を占める.また,性別では「男性」「1402」名,「女性」「55」名と,その大宗は男性となる.「居住地別」では,「大阪市内」が「383」名,「大阪市除く」「大阪府内」が「319」名とあり,双方合わせて702名.「大阪府外」は「756」名と,54名ではあるものの,同市が位置する同府外の居住者からの応募が多い結果となっている.
そして,各区への募集状況は,不明の17名の応募を除き,下記の表の通りとなる.全ての区長職に対して応募があり,応募数では,北区が109名と最も多く,次いで,中央区の106名,そして,西成区の90名と続く.別紙2と3「大阪市区長 応募状況(確定値)<区別>」*4では,これらの応募の性別及び居住者別の募集状況も公表.
区名 | 応募者数(人) | 区名 | 応募者数(人) |
---|---|---|---|
北区 | 109 | 東成区 | 38 |
都島区 | 40 | 生野区 | 38 |
福島区 | 54 | 旭区 | 52 |
此花区 | 71 | 城東区 | 53 |
中央区 | 106 | 鶴見区 | 46 |
西区 | 62 | 阿倍野区 | 61 |
港区 | 50 | 住之江区 | 69 |
大正区 | 29 | 住吉区 | 47 |
天王寺区 | 61 | 東住吉区 | 38 |
浪速区 | 43 | 平野区 | 59 |
西浪速区 | 64 | 西成区 | 90 |
上記の本備忘録でも記録した「選考スケジュール」に関しては,「応募者が当初の想定よりも大幅に増えたため」「選考スケジュールや任用時期を変更せざるを得ない状況」にあるとして,「当初,平成24年1月中旬〜下旬」の「予定」であった「第1次選考(書類選考)の結果通知」は「平成24年2月末〜3月上旬頃」を「予定」としており,「最終選考(面接選考)日程」や「任用開始時期」等」は「現在,検討中」*5とのこと.区長職として,「ペイパー・ワイズ」であるとともに「マン・ワイズ」*6である,両々相俟った方となるよう「人物本位」*7の選考となると,じっくりとした時間もまた必要となりそうか.今後の選考過程も要経過観察.
*1:大阪市HP(大阪市政:組織・人事・給与:人事)「大阪市区長の応募状況(確定値)と選考スケジュール等の変更について」
*2:大阪市HP(大阪市政:組織・人事・給与:人事:大阪市区長の応募状況(確定値)と選考スケジュール等の変更について)「大阪市区長 応募状況(確定値)」
*3:大阪市HP(職員等採用:募集中の職員採用情報一覧:大阪市区長を公募します)「大阪市区長公募要綱」(平成23年12月,大阪市総務局)2頁(もうリンクが切れていますね)
*4:大阪市HP(大阪市政:組織・人事・給与:人事:大阪市区長の応募状況(確定値)と選考スケジュール等の変更について)「大阪市区長 応募状況(確定値)<区別>)」 「大阪市区長 応募状況(確定値)<区別>」
*5:前傾注1・大阪市(大阪市区長の応募状況(確定値)と選考スケジュール等の変更について)
*6:水谷三公『官僚の風貌』(中央公論新社,1999年)203頁
*7:稲継裕昭『地方自治入門』(有斐閣,2011年)90頁