福岡市の高島宗一郎市長は25日、道州制の導入を見据えて検討を始めた福岡都市圏17市町による「都市州」の前段階として、現行の自治体の枠組みを維持したままで連携強化を図る考えを示した。同日の福岡地域戦略推進協議会の総会で「メトロ福岡構想」として紹介した。
 市によると、通勤圏や経済圏が一体化し、既に水道事業やごみ処理などで協力関係にある福岡都市圏の特徴を生かし、まずは「メトロ福岡」として、道路、河川整備などの広域的な行政テーマでの連携策を模索。第二段階として、道州制の導入に合わせ、道州並みの行政権限や税財源を持つ都市州への移行を検討するという。高島市長は総会で「福岡市の148万人の人口は(アジアとの)都市間競争をするには小さく、都市圏243万人の規模で成長戦略を考えないといけない。県からの権限、財源移譲を進め、一体的に都市圏の拠点性を高めたい」と、連携強化の必要性を強調した。
 第二段階となる都市州については「道州制に移行するときには独立するという考え方もある」とした上で「空港や港湾など都市基盤の整備は九州全体の経済に寄与するが、お金がかかる。福岡都市圏で独自財源を持って一体整備することが大事ではないか」と述べた。高島市長が想定している都市州の枠組みは福岡、筑紫野、春日、大野城太宰府、宗像、古賀、福津、糸島の9市と筑紫郡、粕屋郡の8町。

本記事では,福岡市における大都市制度構想を紹介.
2012年4月18日付の同紙でも報道されていた同市における「都市州構想」*1.同日付の記事では,「福岡都市圏の17市町(人口計約243万人)を想定」され,具体的な「道州との関係や権限,財源など」は「庁内のプロジェクトチームで構想をまとめる方針」とも紹介されている.本記事では,「地域の成長戦略の策定から推進までを一貫して行う組織」とされる福岡地域戦略推進協議会*2にて,同市市長により同構想では,「メトロ福岡構想」と「都市州」の「二段階」により進める予定を提示.具体的には,同市及び同協議会HP内では把握できず.残念.公表後,要確認.
本記事を拝読させて頂くと,第1段階では,「メトロ福岡構想」」では,「道路,河川整備などの広域的な行政テーマでの連携策」し,第二段階として,道州制が導入された場合に,「都市州」へと移行される案.指定都市市長会が提案されてきた,「特別自治市」では「周辺基礎自治体の連携は様々な制度(広域連合・事務の委託など)を活用する」*3との提案からも窺えるように,まずは「特別自治市」化への移行により,その後「周辺基礎自治体」との連携を構想.むしろ,同市の同構想では,その連携を先に置き,新しい大都市制度へと移行する手順が提案された,いわば「共同(cooperation)」*4を基調とされた構想であることが窺える.
百花繚乱,豪華絢爛に大都市制度構想が提示されるなか,指定都市市長会では,2012年3月末に,民主党自民党公明党みんなの党に対して「特別区制度を東京都以外にも適用するための内容のみならず,「特別自治市」をはじめ,各地域が,実情に応じた大都市制度を選択することが可能」な「多様な大都市制度の実現」*5と,「特別自治市」に限定されることなく,やや幅広な大都市制度の実現を要請する立ち位置にある.折しも,同日開催された地方制度調査会の専門小委員会では,「大都市制度の論点整理案」*6が整理されたことも,2012年4月25日付の日本経済新聞で報道されている.果たして,同小委員会で整理された論点では,これら連携を基調とした大都市制度構想もまた含まれているのだろうか.こちらも,公表後,要確認.