北本市は11日、市民の意見を行政に反映させる「事業選択市民会議」を市文化センターで開いた。来年度実施予定の幅広い新規事業について、無作為に抽出した中から選ばれた18人が必要性を話し合った。市民に行政に関心を持ってもらうのが狙いで、初の試み。
 初めに、市職員が「買い物配達サービス」や「第3子以降出産祝金」など20事業を説明。参加者が議論をかわし、必要だと思う事業に投票した。議論では「娘がひったくりにあった。防犯カメラは必要だ」「舗道のガムの汚れ取りは、ボランティアでもできる」といった意見があった。投票の結果、「駅前等の防犯カメラ設置」や「高齢者タクシー補助券」など10事業が選ばれた。10月をメドにインターネットで投票を行い、優先順位を決める。参加した会社員、柳沢和美さん(28)は「違う世代の意見が聞けて面白かった」と話した。

本記事では,北本市における「事業選択市民会議」の取組を紹介.同会議に関しては同市HPを参照*1
同会,同市が「実施すべき市の事業を選択する」もの.2012年8 月11 日の「午前10 時〜午後3時」の5時間で「新規事業20 案」に対して「次年度に予算化すべき事業の優先順位を検討」し,同市が「実施すべき」「事業を選択する」もの.同会議は,本記事で紹介されている「無作為抽出型」に加えて,同会議が20事業から10事業を選択した後に,選択された10事業に対して選択を行う「ウェブ参加型」の会議も「10 月に実施予定」*2という.また,本記事では,「事業」の選択の様子が紹介されているものの,同市資料からは「指標」の選択も行い,同じく20から10を「優先指標」として選択し,同指標をもとに「次年度に事業案を検討」*3とことになるという.
会議体の名称が「事業選択」とはあるものの,「常に変態する」とも解されることがある「行政評価制度」*4の一つとして整理できそうな取組.対象が新規事業であることからも,要否の帰結に至る判断は成果からの判断が困難であることも想定されなくもない.実際の同会議内での,新規事業の優先順位付けという目的に対して,選択という手段の判断に至る「アブダクション*5の検討過程は要確認.

*1:北本市HP(報道発表・広報)「市民が参加する「事業選択市民会議」の開催

*2:前掲注1・北本市(市民が参加する「事業選択市民会議」の開催)

*3:前掲注1・北本市(市民が参加する「事業選択市民会議」の開催)

*4:金井利之『実践自治行政学』(第一法規,2010年)219頁

*5:堀井秀之『社会技術論』(東京大学出版会,2012年)44頁

社会技術論: 問題解決のデザイン

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