五木村議会(定数10)は8日、議会全員協議会を開き、2010年に全国で初めて導入した議員評価制度を実質的に廃止することを決めた。12月定例会までに同制度を定めた条例の廃止や改正などを検討する。
 同制度は、村議会議長が任命した評価委員(5人以内)が議員活動をチェックして5段階に評価。議員報酬の2割を評価に応じて成果配分する。ところが2回目となった11年度の評価に関して今年4月、評価内容の答申前日にいずれも当時の評価委員長が議長自身の評価を個別に伝え、議長も他の9議員を独自に採点し、内容を評価委に伝えていたことが判明するなど混乱。さらに、評価委員も不在となった。
 このため、村議会は先月から全員協議会を3回開き協議。「公正な評価が難しい。評価委員も不在で、なり手がない」などの意見が多く、実質的に廃止することを決めた。20日の全員協議会で条例の廃止か、改正のいずれにするかを決める。岩本員功議長は「廃止は非常に残念だが、新たな議会活性化策を見いだしたい」と述べた。
 11年度に評価委員のアドバイザーを務めた県立大の桑原隆広教授(地方自治)は「地方議会の形がい化が叫ばれる中、住民が常に議員を監視し、議会活動に参加できる有意義な仕組みだった。議会改革の議論に一石を投じた取り組みだった」と話した。県市町村行政課は「議会が自ら導入した制度であり、今後も状況を見守っていく」という。(後藤仁孝、岩崎健示)

本記事では,五木村議会における同議員報酬の一部への成果主義の取組を紹介.
2009年12月14日付2010年2月24日付2011年4月8日付同年5月20日付2012年2月22日付同年4月27日付の各本備忘録にて記録してきた同取組.2011年度分への評価をもって「実質的に廃止」に至るとのこと.制度の運用などは,ぜひ実際にもお話を伺いたかったため,たいへん残念.本記事を拝読させて頂くと,評価の制度運営は難しさが改めて分かる.
ただ,2012年4月27日付の本備忘録では「議員の氏名や評価理由」も公表する方針の報道を記録したものの,現在のところ同町HPでは確認できず.これらは実際にも公表されたのだろうか.いずれにせよ,年度毎での「成果」への評価から,任期毎での投票という評価へと回帰する同村.同投票を通じて「業績投票」*1となれば,報酬には反映されないものの,実質的な評価の効果も得られなくもない.投票結果も要確認.

*1:川出良枝谷口将紀政治学』(東京大学出版会,2012年)158頁

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