福島県佐藤雄平知事は19日の記者会見で、東京電力福島第1、第2原発に対する核燃料税を廃止する方針を発表した。知事は、12月30日の核燃料税条例の期限切れを控え「(福島原発事故を受け)県内原発の全基廃炉を求めていることなどを踏まえ、条例更新は行わないことにした」と述べた。核燃料税を導入している13道県のうち、廃止するのは福島県が初めてとなる。

本記事では,福島県における「核燃料税」の更新停止の方針を紹介.同税に関しては,同県HPを参照*1
同税は,1977年11月に創設.「5年毎に更新」をしており,現在,2007年12月31日から2012年12月30日までの「第7期課税期間」にある.「課税客体」は「発電用原子炉への核燃料の挿入」.「課税標準」は「発電用原子炉に挿入された核燃料の価額」と「発電用原子炉に挿入された核燃料の重量」.そして,「納税義務者」は「発電用原子炉の設置者」である「東京電力株式会社が唯一の納税義務者」となる.「税率」は,「価額割」で「核燃料価額の100分の10」,「重量割」では「核燃料1kgにつき11,000円」と定めている.これらによる「5年間」での「税収見込額」は「約264億円」*2と更新段階では想定されている.更新停止自体により「地域再生の象徴的な意味」*3をももちうる,「ソフト」ながらも,むしろ「ハード」な「統制」*4として整理ができそうな方針.

*1:福島県HP(県政一般県の税制県税一覧)「核燃料税

*2:前掲注1・福島県(核燃料税)

*3:佐藤栄佐久福島原発の真実』(平凡社,2011年)90頁

福島原発の真実 (平凡社新書)

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*4:ダニエル・P・アルドリッチ『誰が負を引きうけるのか』(世界思想社,2012年)81頁

誰が負を引きうけるのか―原発・ダム・空港立地をめぐる紛争と市民社会

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