東京都は30日、2013年度(14年4月入庁)の大卒程度の採用試験(事務)から導入する面接中心の採用枠の試験概要を発表した。法律などの専門知識を問う試験科目をなくし、詰め込んだ知識ではなくプレゼンテーション能力を試す。理系を含め、多様な人材を取り込むのが狙いだ。新採用枠の募集人数は50〜100人を予定する。
 都の担当者は「新方式は公務員試験対策を必要としない。民間企業志望者にも受験してもらいたい」と話している。従来の試験方式も継続するが、新方式との併願はできない。新方式の1次試験は思考力や時事問題の知識を問う教養試験と、発想力や文章力などを検証する「プレゼンテーション・シート」の作成を課す。例えば「東京における年別の猛暑日数」といった棒グラフが示され、起こりうる問題とその解決策を問う。2次試験はこのシートを使ったプレゼンテーションと面接を実施。3次試験はグループワークと面接という内容だ。新採用枠のシートの例題は都ホームページで閲覧できる。12月1日に都内で開く入庁希望者向けセミナーの会場で新方式のパンフレットを配布し、担当職員が新方式の説明に応じる。

少し古い記事ですが,本記事では,東京都における職員採用試験の取組を紹介.2012年6月27日付の本備忘録で記録した,同都の職員採用方式の詳細が公表.同取組の詳細は,同都HPを参照*1
従来の「1類B(事務)の試験区分」を「試験区分」「行政」とし「平成24年度1類B採用試験の事務に相当する試験方式」にあたる「一般方式」と,本記事で紹介されている「平成25年度に新設する試験方式」である「新方式」に区分されている.新方式では,「詰め込んだ知識ではなく,柔軟な発想で課題を発見し解決策を考え,積極的に実行できる力を中心に検証する試験」とすることを目的のおく.具体的には,まず「一次試験」では「筆記試験」のうち「専門試験・論文の廃止」を廃止.その一方で,「教養試験(五枝択一式)」,「プレゼンテーション・シートの作成」を求めている.そして,二次試験では「口述試験」となり,「一次試験で作成したシートを使っ」た,「プレゼンテーション面接」の実施,「三次試験」では,「複数の受験生が共同で企画作業を行い,成果を発表するグループワークを導入し発想力,協調性.行動力などを検証」する「グループワーク及び個別面接」を実施する.実際の「「新方式」による採用試験の採用予定者数」は「概ね50〜100人程度を予定」とは公表されてはいるものの,「具体的な採用予定者数」は「3月に公表」*2予定.
まさに「面接による選考を重視して人物を見極める」,そして「民間企業との間の人材獲得競争」*3の要素も含まれた方式の採用の取組.ることは想定されそう.実際の応募状況は,要確認.

*1:東京都HP(これまでの報道発表2012年11月)「1類B採用試験が変わります!―専門試験・論文を課さない新試験方式の設置―

*2:前掲注1・東京都(1類B採用試験が変わります!―専門試験・論文を課さない新試験方式の設置―)

*3:出雲明子「第8章 地方公務員制度と人事管理」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)167頁

地方自治論入門

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