鳥取市は、民間企業でキャリアを積み、専門的な知識を持つ人を任期付き職員として募集している。採用するのは、市の情報提供について指導や助言をする「戦略広報監」と行政広報番組に出演する「キャスター」、施設などの財産を戦略的に管理・活用する「ファシリティーマネジャー」で各1人。任期は4月1日から3年間。
 応募資格は、広報監が、民間で広報業務の経験があり、管理職経験も有する人。キャスターはアナウンサーの経験があり、ソーシャルメディアで情報発信ができる人。ファシリティーマネジャーは認定ファシリティーマネジャー資格を有する人。採用後の待遇はそれぞれ次長級、係長級、課長級。年齢制限は無く、現住地も市内に限らない。希望者は、論文などの職種に応じた各種書類を2月14日(消印有効)までに提出。その後、プレゼンテーションなどの最終選考(23日)を経て、27日に合格者を決める。書類は同市役所本庁舎、駅南庁舎などで配布するほか、同市の公式ホームページからも応募できる。問い合わせは総務部職員課人事係(0857・20・3107)。【川瀬慎一朗】

本記事では,鳥取市における職員公募の取組を紹介.募集される職種は,「戦略広報監」「ファシリティーマネージャー」,そして「キャスター」*1の3つの職(「キャスター」という職もあるのですね.おもしろいですね).
それぞれ1名を募集.各職の職務内容は,まず「戦略広報監」は「次長級」として「効果的な情報提供・広報の実施・指導・助言」,同「市の魅力をアピールするシティセールスの実践」,「その他」同市の「広報に関する業務」を担当する.次いで,「キャスター」は「係長級」であり,「行政広報番組「こんにちは鳥取市です」への出演」,「ソーシャルメディアを通じた」同市の「情報発信」,そして,戦略広報監と同様に「その他本市の広報に関する業務」を担当.「ファシリティマネジャー(資源効率活用担当)」は「課長級」となり,「ファシリティマネジメント戦略と中長期実行計画の策定」,「ワークプレイスづくり」,「市有施設の維持保全と運用管理」「その他市有財産の効率的利用に関する業務」を担う.処遇は「次長級」では「月額366,200円」,「課長級月額320,600円」,「係長級」は「月額261,900円」となり,これに加えて「管理職手当,期末勤勉手当(賞与),扶養手当,住居手当,通勤手当がそれぞれの条件に応じて支給」ただし,「任期中の昇給」はない.
それぞれの職の募集要件は,「戦略広報監」は「民間企業等において広報業務の実務経験と管理職経験を有する者」であること.「キャスター」は「民間企業等の放送番組などでアナウンス(キャスター)経験を有し,ソーシャルメディアによる情報発信の技能を有する者」であること.「ファシリティマネジャー(資源効率活用担当)」は「平成25年4月1日時点において有効な認定ファシリティマネジャー登録証又は認定ファシリティマネジャー資格証を有する者」となる.「戦略広報監」と「キャスター」のいずれも実績,「ファシリティマネジャー」は外部資格の取得が要件となる.なお,いずれの職も募集に際しては年齢による制限はない.
選考方式は,「第一次選考」が「書類審査(申込書の内容審査)」と「論文審査」,「最終選考」が「プレゼンテーション審査(10分程度の職務内容に関する企画提案を審査)」「個人面接」「職場適応性検査」を実施.論文では,各職毎にテーマが定められている.「戦略広報監」は「鳥取市職員の広報マインドを高めるには」「鳥取市の魅力を国内外に売り込むには」「鳥取市の広報の可能性と課題」の3つから1つを選び,「1,200字程度」.「キャスター」は「鳥取市の魅力をわかりやすく伝えるには」をテーマに「800字程度」,「ファシリティマネジャー(資源効率活用担当)」は「点在する各種市有施設の管理コストを縮減するには」をテーマに「1,200字程度」とされている.
実績に基づき選考をされる「キャスター」職.行政広報番組へ出演となるとと,単なる「定型的熟達者」に加えて,「適応的熟達者」*2もまた要件ともなりそうではあるものの,これらの熟達度を選考する側は「プレゼンテーション審査」と「個人面接」でどのように測定されるのだろうかを考えると,興味深い.

*1:鳥取市HP(仕事と産業市職員などの募集)「鳥取市職員採用試験受験案内(任期付職員)

*2:楠見孝「実践知と熟達者とは」金井壽宏,楠見孝編『実践知』(有斐閣,2012年)12頁

実践知 -- エキスパートの知性

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