政府は6日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針「骨太方針」の素案を提示した。素案は地方の行政改革地域活性化の努力を査定し、頑張る地方自治体に交付税を重点配分する方針を示した。財政再建の必要性を強調。社会保障、公共事業、地方財政の3分野を「聖域とはせず(歳出の)見直しに取り組む」と明記した。
 素案は1990年代初めのバブル崩壊から続く「停滞の20年」を抜け出し「再生の10年」を目指す考えを提示。成長戦略などを展開し、企業収益の改善が家計に波及し、賃金の上昇や消費の拡大につながっていく好循環を目指すとした。

本記事では,内閣府に設置された経済財政諮問会議において「骨太方針」の素案が審議されたことを紹介.同素案は,同会議HPを参照*1
2013年1月22日付の本備忘録で記録した,自治体の「行財政改革の実績」にする配分案に関しては,素案では次のように明記.「頑張る地方の支援」という小項目とともに「地方分権を協力に進め地方の自由度を高めるとともに,地方交付税において,新たに,地域活性化に資する算定を行革努力と地域経済活性化の成果の2つの観点から行なうとして,頑張る地方を息長く支援するため一定程度の期間継続する」*2.「行革努力」の「成果」は各自治体(行政)で(既に容易くはないでしょうが)コントロールが可能な部分も残存する可能性はなくはないものの「地域経済活性化の成果」もまた「国内のみならず海外の政治,経済情勢の影響の影響も大きく受ける」*3こともあり自治体(行政)に限定されず,いわば他律的な要因にコントロールされる部分も考えらなくもなさそうか.
また,同素案では「不交付団体数をリーマンショック以前の水準にすることを目指す」と,具体的な数値は明記されてはいないものの,事実上の数値目標も置かれている.では実際に,いくつの自治体が当時不交付だったのだろうと思い,『平成21年度地方財政白書』を確認すると,リーマンショックの直前となる2007年度では,都道府県では「東京都及び愛知県の2団体」,市町村では「186団体」.市町村は,2006年度が「169団体」であったため「17団体増加」*4の状態であったことが分かる.2011年度は不交付団体が都道府県では「東京都の1団体」,市町村では「58団体」*5のなかで,2007年度へ不交付団体の「水準」を実現するための「時間軸」*6と結果は要経過観察.

*1:内閣府HP(内閣府の政策経済財政政策経済財政諮問会議平成25年会議情報一覧第14回会議資料:会議結果 平成25年)「資料2骨太方針(仮称)」(素案)

*2:前掲注1・内閣府(資料2骨太方針(仮称))28頁

*3:小西砂千夫・松木茂弘共編著『実務から読み解く地方財政入門』(学陽書房,2013年)101頁

実務から読み解く 地方財政入門

実務から読み解く 地方財政入門

*4:総務省HP(白書平成21年度地方財政白書)「3 地方財源の状況

*5:総務省HP(白書平成25年度地方財政白書)「3 地方財源の状況

*6:竹中平蔵構造改革の真実』(日本経済誌新聞出版社,2006年)263頁

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌

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