浜松市の2015年度から30年間の都市ビジョンを描く「新・総合計画」策定のための委員会「市未来デザイン会議」が発足し、初会合が29日、市役所で開かれた。今後、将来推計人口や未来の理想の姿について審議し、基本構想「(仮称)市未来ビジョン」案を年度内にまとめる。
 新・総合計画は都市経営やまちづくりの指針を定める市の最上位計画。会議は今年6〜9月に市が実施した市民136人を対象にしたインタビューや、インターネット上のビッグデータを活用した市民意識調査の分析結果を基に30年後の都市の将来像や都市経営の基本原則を検討し、基本構想案に盛り込む。30年後を見据え、委員には有識者だけでなく、大学生4人を含む20〜40代の公募市民らを加えた。座長の鈴木康友市長は初会合で「未来を担う若い委員が浜松の未来を作り出し、デザインを考えてほしい」と述べて委員23人の代表に委嘱状を手渡した。
 アドバイザーを務める元東京大総長の小宮山宏三菱総合研究所理事長が講演し、自ら提唱する21世紀のビジョン「プラチナ社会」を解説。エネルギー自給など日本が目指す成長モデルを示し、「浜松には再生可能エネルギーや農林業の再生などでチャンスがある。知恵を使って良い21世紀の浜松をつくってほしい」と助言した。

本記事では,浜松市における基本構想案の検討の取組を紹介.
同市では,「平成27 年度からの新しい総合計画の策定準備」を進めるなかで,「概ね30 年後」の「あるべき理想の姿」を検討するために,本記事でも紹介されている「浜松市「未来ビジョン」策定会議」*1を設置.同会議の委員には,同「市内在住又は市内に通勤,通学している」方で「平成25年4月1日現在,18 歳以上」であり,「市政に関心を持」つ「会議に出席可能」な方であり,そして,同「市議会議員」同「市職員でない人」の全ての条件を満たす方を対象に「10名程度」*2の委員を公募.「平成25年8月から平成27年3月31日」の19ヶ月間で「7回程度」*3の同会議の開催を予定している.という.本記事では「委員23人の代表に委嘱状を手渡した」とも報道.委員数は「有識者」を含めた数なのだろうか.公表後,要確認.
なお,同会議の「委員募集要項」では「浜松市長や有識者とともに話し合い」*4との記述.そのためどのように「市長」と「話し合う」のだろうと思っていたところ,本記事によると同会議の「座長」を市長が務められる模様.なるほど,委嘱者となる首長が会議の座長となることで「話し合い」の深度も深まりそうな取組.場合によっては,公式な会議に加えて「非公式な会合を繰り返す」*5活動が拡がるとより「話し合い」の深化が進みそうか.今後の審議状況は,要経過観察.

*1:浜松市HP(市政情報施策・計画総合計画浜松市「未来ビジョン」策定会議委員の募集)「求ム!〜浜松市「未来ビジョン」策定会議委員募集要項

*2:前掲注1・浜松市(求ム!〜浜松市「未来ビジョン」策定会議委員募集要項)

*3:前掲注1・浜松市(求ム!〜浜松市「未来ビジョン」策定会議委員募集要項)

*4:前掲注1・浜松市(求ム!〜浜松市「未来ビジョン」策定会議委員募集要項)

*5:山崎亮『コミュニティデザイン』(学芸出版社,2011年)131頁

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

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