2040年代を見据えて都の将来像を示す「東京のグランドデザイン」(仮称)を策定するため、都が設けた検討委員会の初会合が30日、都庁で開かれた。音楽家椎名林檎さんら有識者・専門家8人が招かれ、芸術文化やまちづくり、医療福祉などに関して持論を披露した。
 冒頭、委員長を務める舛添要一知事は「人生は楽しむためにある。もうちょっと楽しい街にしてはどうかと思う。保育所が足りないとか、いろんな問題も、楽しくアプローチできないか」と活発な意見交換を呼びかけた。
 椎名さんは「東京は芸事の本場」と強調する一方、「足りないのは場所、シーン。世界のトップスターが出演する会場は、都内には十分にない」と問題提起。さらに、文化的な拠点づくりを進めるために「東京万博」の開催も提唱した。また、女性労働論などが専門の立教大准教授、首藤若菜さんは女性の就労支援、子供の格差解消などの観点から「幼児教育の無償化、義務化も議論すべきではないか」と指摘した。検討委は都幹部で構成し、2年後をめどにグランドデザインを策定する予定。【武本光政】

本記事では,東京都における長期計画の策定にむけた検討の取組を紹介.
「2040年代の東京を見据えた」「東京のグランドデザイン」の「策定」*1のために,同都では「グランドデザイン検討委員会」*2を設置.「東京のグランドデザイン検討委員会設置要綱」によると,「委員長は,知事」(同要項第3条第1項),「副委員長は,副知事」(同要項第4条第1項)となり,他は,「教育長及び関係局長」から「知事が指名する」(同要項第5条)ものから構成される.2015年6月30日に開催された第1回の同委員会の「出席者」を確認すると,「知事」「副知事」に加えて,「技監」「政策企画局長」「総務局長」「財務局長」「都市整備局長」,そして「政務担当特別秘書」が「都出席委員等」*3と記載.同委員会では,「委員会に委員以外の者を出席させることができる」(同要項第6条第2項)と規定されている.
第1回では,本記事で紹介されている通り,「まちづくり」「医療福祉」「芸術文化」「ビジネス」「働き方」「科学技術」の各分野から8名の「有識者・専門家」*4の出席があり,1名「10分」の「プレゼンテーション」と,その後,「40分」間「出席者間での意見交換」*5が行われた模様.
既存の「東京都長期ビジョン」*6をどのように「部分摂取」*7しつつ,25年後を見据えた「正負一体の総合計画」*8が策定されることになるか,今後の検討状況は,要経過観察.

*1:東京都HP(知事の部屋舛添知事記者会見)「舛添知事定例記者会見 平成27年6月23日(火曜)14時00分〜14時27分

*2:東京都HP(各局のページ政策企画局東京のグランドデザイン検討委員会)「東京のグランドデザイン検討委員会設置要綱 」(平成27年6月11日)

*3:東京都HP(各局のページ政策企画局東京のグランドデザイン検討委員会東京のグランドデザイン検討委員会(第1回))「東京のグランドデザイン検討委員会(第1回) 出席者名簿

*4:前掲注3・東京都(東京のグランドデザイン検討委員会(第1回) 出席者名簿)

*5:東京都HP(各局のページ政策企画局東京のグランドデザイン検討委員会)「東京のグランドデザイン検討委員会(第1回)

*6:東京都HP(各局のページ政策企画局)「東京都長期ビジョン

*7:松井望「県庁内のガバナンス変容と持続」宇野重規, 五百旗頭薫編『ローカルからの再出発 日本と福井のガバナンス』(有斐閣,2015年)221頁

ローカルからの再出発--日本と福井のガバナンス

ローカルからの再出発--日本と福井のガバナンス

*8:金井利之『実践自治行政学』(第一法規,2010年)105頁