高齢者介護施設の不足をふまえ、姉妹都市の埼玉県秩父市へ中高年の区民の移住を促す施策を検討する豊島区は二十日、二十〜六十代の区民を対象に実施したアンケートで、回答者の二割が秩父市への移住に前向きな考えを示したと発表した。 (皆川剛)
 アンケートは昨年十一、十二月、無作為に選んだ男女五千人に郵送で実施。千八百十七人(36%)からの回答を中間集計した。集計分の回答者は二十代がやや少なく、男女では女性がやや多い。
 「秩父市に移住してみたい」が4・2%、「どちらかというと移住してみたい」が16・4%。移住に前向きな理由は「自然が豊か」が86・9%、「豊島区と行き来がしやすい」が41・8%の順。「移住したくない」人は52・4%だった。
 豊島区は六十五歳以上の単身世帯比率が約三割と全国平均の約二倍。昨年九月時点の特別養護老人ホームの入所待機者は四百七十二人にのぼる。区内に施設新設のための空き用地がなく、ケア付き住宅や診療所を集めたコミュニティー秩父市と共同で同市内につくり、介護が不要なうちに一定数の区民に移住してもらいたい、としている。
 高野之夫区長は二十日の会見で、「(二〇二五年に)団塊世代が七十五歳になると福祉サービスの維持はさらに難しい。(実現すれば)都市と地方の共生のモデルケースになるのではないか」と述べた。

本記事では,豊島区と秩父市における高齢者移住の取組を紹介.
2015年7月16日付同年8月13日付同年12月30日付の本備忘録にて記録した両市区間での同取組方針.本記事では,同区が実施した住民意向調査の中間集計の結果を紹介.本記事によると,「秩父市に移住してみたい」は「4.2%」,「どちらかというと移住してみたい」「16.4%」となり,移住への「住民の意識」*1が窺える.同調査の結果は,公表後,要確認.

*1:増田寛也編著『東京消滅 介護破綻と地方移住』(中央公論新社,2015年)146頁