自治体も「経営」概念を 宮崎・都城市が「フィロソフィー」策定(毎日新聞2019年7月9日) 

 「本気で挑戦! 日本一の市役所へ」をモットーに、宮崎県都城市は市職員が心掛けるべき指針30項目を盛り込んだ「フィロソフィー」を策定し、それを明記した手帳を作製した。目標を明確にして職員のやる気を高め、組織を活性化、市民サービス向上も図る狙い。全国の自治体で初の取り組みという。職員に浸透し、民間企業の社訓や経営理念のような効果を発揮できるか注目される。【重春次男】

フィロソフィーは哲学の意味で、市は職員のやる気を向上させるため電子部品大手メーカー、京セラの稲盛和夫名誉会長が人生や経営についての哲学を記した京セラ・フィロソフィーに着目。これをモチーフに準備を進め、今年3月に都城フィロソフィーを策定した。稲盛氏が再建に携わった日本航空など企業ではみられるが、自治体では初めてという。

 市は職員課に推進室を4月に設け、今年度は職員に浸透させる研修会も計画している。

市フィロソフィーは、▽正しい考え方を持つ▽全員の心を一つにする▽結果にこだわる――など計7章30項目から成る。

 例えば「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」の項目では「人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の掛け算で決まります。そのため、能力があっても熱意に乏しければ、良い結果は出ません」と明記。「物事をシンプルに捉える」の項目では「一見複雑に思える多種多様な市民ニーズへの対応も、突き詰めれば『市民の幸福と市の発展の実現』とのシンプルな目的に帰結します」などと記されている。

 今月中に交付式があり、出来たばかりのフィロソフィー手帳が市職員約2000人に配られる予定。池田宜永(たかひさ)市長は「自治体も『経営する』という概念が必要。全職員が共通の高い目標を掲げて本気で挑戦し、市民の幸福や市の発展実現に貢献したい」と力を込める。都城フィロソフィーは市ホームページでも公開されている。本記事では,熊本県におけるゆるキャラの取組を紹介.

本記事では,都城市におけるフィロソフィ策定の取組を紹介.

同市では,「職員全員が同じ方向を向いて仕事にまい進するための指針を示した」「都城フィロソフィ」を「策定 *1.同フィロソフィは以下の30項目. 

  1. 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
  2. あいさつが全ての基本
  3. 身だしなみは人のため
  4. 明るく元気に、素直な心で前向きに
  5. 感謝の気持ちを忘れず、謙虚に生きる
  6. 物事をシンプルに捉える
  7. 損得ではなく善悪で判断し、人間として正しいことを貫く
  8. 自ら燃える
  9. 地道に努力を積み重ね、真面目に一生懸命仕事に打ち込む
  10. 一人ひとりが都城市役所
  11. 地域を愛し、地域と共に生きる
  12. 都城が持っているものを生かす
  13. 市民目線を貫く
  14. 傾聴と共感が改善を生む
  15. 自分の仕事ではないと言わない
  16. 率先垂範する
  17. 本音でぶつかる
  18. ベクトルを合わせ、チームで取り組む
  19. 笑顔で仕事に取り組む
  20. 高い目標を持つ
  21. 有言実行でことに当たる
  22. 本気で挑戦する
  23. 成し遂げるまで諦めない
  24. 今できることは今やる
  25. スピード感を持って決断し、行動する
  26. 大局観を磨く
  27. よく働き、よく遊ぶ
  28. 自治体の常識・殻を打ち破る
  29. 楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
  30. コンセプトを立て、戦略的に行動し、結果を出す

以上のフィロソフィに基づく,「住民の尊厳の確保」*2への取組状況は,要確認.

*1:都城市HP(市政を身近に 都城フィロソフィ 都城フィロソフィ )「 「都城フィロソフィ」を策定しました

*2:大森彌『自治体職員再論』(ぎょうせい,2015年)252頁

自治体職員再論~人口減少時代を生き抜く~

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