新副知事人事案、生え抜き2人起用 杉本達治福井県知事が方針(福井新聞2019年7月10日) 

 福井県の杉本達治知事は7月9日、新たな副知事2人に中村保博前政策幹(62)と櫻本宏総務部長(60)、県教育長に豊北欽一地域戦略部参与(60)を起用する方針を固めたことを明らかにした。県会各会派への説明後、西川一誠前知事が任命した特別職を刷新し「新時代の県政をスタートさせる」と述べた。6月定例県会最終日の25日に人事議案を提案する方針。可決されれば、3氏は8月1日付で就任する。

現副知事の山田賢一氏(60)と藤田穣氏(55)、現教育長の東村健治氏(62)は任期を残して退任する。藤田氏は総務省に戻る予定。

 中村、櫻本両氏の任期は2023年7月までの4年、豊北氏は東村氏の残任期間の21年5月までの約1年9カ月。

 杉本知事はこれまでの会見で、現在の特別職を基本的に任期満了まで続投させる考えを示していた。しかし、知事選で杉本派と西川派に二分された県内の融和を第一に取り組んできた中で「人事も前の路線を大きなところは引き継いでやってきて、融和は進んできていると思う。その中で、最終的に人心一新をしたいと考えた」と述べた。

 新たな副知事2人を従来の県と総務省の出身ではなく、いずれも生え抜きにする理由については「私は総務省を辞めたばかりで、東京にたくさんのパイプがある」として、自身が政府との窓口になる考えを示した。櫻本氏の後任の総務部長には総務省からの派遣を要請しているとした。

 中村氏は金沢大法文学部卒。農林水産部長や政策幹を歴任して昨年11月に退職、先の知事選で杉本知事を選挙スタッフとして支えた。櫻本氏は京都大法学部卒。安全環境部長、健康福祉部長を経て17年7月に総務部長となり、今年6月からは再任用で引き続き同部長を務めている。

 豊北氏は横浜国立大経営学部卒。教育庁企画幹、総合政策部長を務め、今年6月に嘱託で地域戦略部参与となった。

本記事では,福井県における副知事職候補者の方針を紹介.

同県では「福井県副知事定数条例」に基づき,「定数は」「二人」*1と規定されている同職.本記事によると,「全然しがらみのない出向完了を呼んできたり」*2するのではなく,「いずれも生え抜き」とする方針が示された模様.今後の「副首長二元的信任制」*3に基づく選任手続の状況は,要観察.

*1:福井県HP(((県政情報 : 情報公開・条例・法規 : 条例規則集福井県条例規則集について)「福井県副知事定数条例」

*2:金井利之『自治体議会の取扱説明書 住民の代表として議会に向き合うために』(第一法規,2019年),72頁

自治体議会の取扱説明書―住民の代表として議会に向き合うために―
 

*3:前掲注2・金井利之:71頁