行政計画作成「自治体の判断で」 地方分権改革有識者会議が要請(共同通信2022年2月20日) 

 内閣府地方分権改革有識者会議は20日の会合で、行政計画の総数を減らすための省庁向け手引をまとめた。特定分野の施策や事業を進める際、計画を作成するかどうかや、記載内容は「自治体の判断に委ねる」との原則を明記。法令で義務付けるのは避けるべきだとの考えを示した。近く各省庁に順守を要請する。

 有識者会議は行政計画について「新設されていく一方で、必要性が低下した計画の統廃合が十分になされず、乱立状況にある」と指摘。「作成事務が自治体の大きな負担となっており、適正化が急務だ」と訴えた。

 その上で、作成判断や内容は自治体に委ねるとの原則を明示した。

本記事では、内閣府における義務付け・枠付けの見直しの取組を紹介。

同府で2022年7月4日に開催された「第52回地方分権改革有識者会議・第147回提案募集検討専門部会 合同会議」では、『効率的・効果的な計画行政に向けたナビゲーション・ガイド(案)』*1が提示。

同ナビゲーション・ガイドでは、まずは、「地方公共団体が事務を処理することとしようとする場合」「当該事務に係る将来に向けた意思決定の仕方及びその意思決定の表現の形式は地方公共団体の判断に委ねることを原則とすべき」としたうえで、「計画等の形式によることを選択肢の1つとする場合には、当該行政分野及び密接に関連する行政分野にわたる計画等の体系図を作成するなど、概観を把握できるようその計画等に係る体系について明らかにすることが望ましい」*2との方針を提示。

しかし、「計画等の形式によらざるを得ない場合」には、「① できる規定を優先的に検討すること(その後に努力義務規定、最後に義務規定を検討)」、「② 一律に策定に係る規定を置くのではなく、地方公共団体の種別(都道府県、指定都市、中核市、市、町村等)ごとの法定の権能、地方公共団体の規模(人口、面積、職員体制)の多様性を踏まえ、できる規定、努力義務規定、義務規定のいずれが適切かを十分に検討すること。また、団体の種別等に応じて、規定を書き分けることも十分に検討すること」「その際、」「職員体制が小規模な団体での実行可能性について配慮すること」、「一律に、努力義務規定又は義務規定を置こうとする場合には」「情報提供時において、その理由を丁寧に説明すること」、「③ できる規定又は努力義務規定を置く場合には、実質的な義務付けであると地方公共団体に受け止められることのないようにすること」*3としている。

あわせて、「制度化」に際しては「① 関連する既存の計画等の統廃合」「② 既存の計画等における内容の追加による対応」「③ 関連する計画等との一体的な策定、上位計画への統合が可能である旨の規定化」「の対応を優先的に検討すべき」*4とする。

また、「計画策定等に係る事務負担」には「① 地方公共団体の権能、規模に照らして、適正な負担とすること(特に小規模団体に配慮すること。)」、「② 地方公共団体の意向を取り入れ、国による技術的な支援策の拡充等により、政策目的の達成を目指すこと」、「③ 地方公共団体の意向を取り入れることで、国の負担(マニュアル、ツールの作成等)も適正なものとすること」、「④ 計画等の内容や手続は各地方公共団体の判断に委ねること」「⑤ 冊子による製本を求めず、電子ファイルによって計画等の策定ができることとすること。国への報告等を求めざるを得ないものについては、電子ファイルでの送付又はデータ共有によることができることとすること」 *5を求めている。

同ナビケーション・ガイドを踏まえての計画策定の「要請側である国の方針*6の状況は、要観察。