経済産業省が11日発表した都道府県別の企業立地満足度調査によると、大分県が全国1位。上位6位14道県までに、福岡県を除く九州6県が入った。企業立地に関する行政手続きの簡素化や補助金・優遇税制などで高い評価を受けた。調査は2006年に工場などを新・増設した事業者を対象にアンケート。総合評価のほか、行政対応窓口を一元化する「ワンストップサービス」、人材あっせん・育成支援、インフラ整備‐など計8項目について5段階評価で尋ねた。総合評価では、首位が大分(前年2位)、2位が岩手。3位には北海道、福島とともに、熊本が前年の35位から一気に入った。佐賀、長崎、宮崎、鹿児島など9県が6位で並んだ。九州は各項目で全般的に高い評価だが、道路や用水、港湾などインフラ整備では佐賀、大分以外が上位から外れるなど、企業立地基盤整備面での課題を浮き彫りにした。アンケートに合わせ、経産省は上位都道府県に最近の企業立地にかかわる取り組み状況も聞き取り調査した。大分は県内100社以上を訪問して原油高に関する要望を聞くなど「ご用聞き」活動、熊本は市町村の企業立地担当者を集めた合宿研修で県との連携を図るなど、独自の企業支援活動をしていることが分かった。経産省立地環境整備課は「企業立地件数が多いのは3大都市圏とその周辺だが、件数が少ない地方圏で自治体の積極的な取り組みが目立つ」と分析している。アンケートは約2万7000事業所を対象に実施、4870事業所が回答した。

同記事では,経済通産省が実施した,企業立地満足度に関する調査において,大分県が一位,九州各県についても福岡県を除き,上位6位に位置付けられたことを紹介.経済産業省の調査結果については,同省HP参照*1
以前にも本備忘録において見たように,現在,各自治体では企業立地のため各種取り組みが進められている.その成果が,同調査からも分かる.特に同調査では,総合評価,許認可手続等の迅速性,ワンストップサービスによる対応,補助金や優遇税制等の経済的インセンティブ,人材あっせん・育成支援,インフラ整備,立地後のフォローアップ,市町村との連携の6項目から,各都道府県の取り組み状況を測定する.昨年度2位であった同県の1位となった要因は,こまめに「ご用聞き」を行った結果との分析.また,伸び率から見れば,熊本県(3位,前年35位)は驚異的.同県上昇の要因も肌理細やかな対応にあるともいう*2.やはり意思決定は,「感性や感情がもたらす情報も,抽象的で論理的な作業も,どちらも同じくらい大事」*3なのだろう.誘致間競争のなかでは,企業側による「捕虜」の危惧もないことはないが,それもまた確実な成果との間では裏腹か.

*1:経済産業省HP(報道発表)「都道府県の企業立地満足度調査の結果について

*2:熊本日日新聞(2008年7月12日付)「熊本3位に急浮上 企業立地満足度

*3:マッテオ・モッテリーニ『経済は感情で動く』(紀伊国屋書店、2008年)304頁

経済は感情で動く : はじめての行動経済学

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