那覇市翁長雄志市長)が本年度の職員採用試験の面接で、受験者にウチナーグチのあいさつを取り入れることが21日までに分かった。市職員が市役所窓口などでウチナーグチであいさつする「ハイサイ・ハイタイ運動」の一環だ。採用試験への導入を機に、若者のウチナーグチ活用の意識付けにつなげたい考えだ。
 市によると職員採用試験の面接に“お国言葉”を導入するのは全国的にも異例で、県内では初めて。市文化協会などとの意見交換でウチナーグチを採用試験に導入するよう求める声があった。それを踏まえ翁長市長が検討を指示していた。市は1次試験通過者に送付する通知書に、面接でウチナーグチでの自己紹介を求める文書を同封する。「ハイサイグスーヨーチューウガナビラ」(皆さんこんにちは)「ニフェーデービル」(ありがとうございます)など例文を掲載し、ウチナーグチに不慣れな人でも対応できるようにする。
 一方で採用試験の公平性を確保するため、アクセントの位置など語り口のうまさは採点対象にしない。市幹部は「採用後にウチナーグチを使う心構えをしてもらえればいい」と語った。面接試験へのウチナーグチ導入について石原昌英琉球大教授(言語政策)は「受験者がウチナーグチを学ぶきっかけになる。県都那覇での実施は他の自治体や民間企業に広がる可能性もある。採用後の研修実施などウチナーグチ実践力を高める取り組みも行ってほしい」と期待を込めた。那覇市の2012年度職員採用試験には1817人が応募。14日に1次試験(筆記)が行われた。面接がある2次試験は11月17、18の両日(行政職)、同24、25の両日(幼稚園・保育士職)に行われる予定だ。(知念征尚)

本記事では,那覇市における職員採用試験の取組を紹介.
2012年4月1日より同市の「窓口では,「ウチナーグチ(沖縄語)」」*1を用いる「ハイサイ運動」に取り組む同市.本記事を拝読させて頂くと,職員採用試験の「1次試験通過者に送付する通知書」内で,「面接でウチナーグチでの自己紹介を求める文書を同封」される,とのこと.「市民とのコミュニケーション能力」*2を問う「地元問題」*3の出題.なるほど.2次試験に挑む皆さんの,ウチナーグチをお話しになる「能力の実証」*4結果は,要確認.

*1:那覇市HP(総合案内市政案内・広報なは市政ナビSNAP!那覇のまち平成23年度)「ハイサイ運動スタート!那覇市ハイサイ運動キックオフ宣言

*2:大原瞠『公務員試験のカラクリ』(光文社,2011年)159頁

公務員試験のカラクリ (光文社新書)

公務員試験のカラクリ (光文社新書)

*3:前掲注2・大原瞠2011年:180頁

*4:東京都人事管理研究会『地方公共団体 人事・給与実務用語辞典』(ぎょうせい,2012年)50頁

地方公共団体人事・給与実務用語事典 改訂版

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