児相の人材確保支援、国に要望 九都県市首脳会議(日本経済新聞2019年4月24日)
 首都圏の1都3県と5政令指定都市でつくる九都県市首脳会議が24日、東京都内で開かれた。児童虐待事案の増加などで児童相談所が人手不足に陥っているとして、国に人材確保・育成の支援を要望すると決めた。また人工知能(AI)など新技術を活用した行政のスマート化に向けて共同で研究することでも合意した。
  座長を務めた小池百合子都知事は会議終了後、「(児相の人手不足は)特に九都県市の課題であるといっても過言ではない。しっかりと国に受け止めていただければ」と述べた。

 児相の児童福祉司1人当たりの対応件数は増加しており、特に首都圏は56件と、関西圏(52件)や全国平均(41件)より多い。人手不足が深刻で、自治体間で人材を取り合う事態が懸念されることから、国の責任で確保・育成策と財政措置を講じるよう求めることにした。児童虐待の防止に向けた共同宣言も採択した。

 地方公務員全体も将来的に人手不足が深刻になることから、AIなどによる自動処理を増やし、業務量を減らす方向で共同研究する。各自治体の実証実験の結果などを共有するほか、技術を広域で共通化することも検討する。

本記事では,九都県市首脳会議における開催結果を紹介。
2019年「4月24日」に開催された「第75回」*1の同会議。同回の同会議では,「九都県市共通のマークの導入による障害者支援の促進」をはじめとする13項目が「問題」として「提案」され,「地方分権改革の実現に向けた要求」,「児童虐待の防止に向けた共同宣言」,「児童相談所等の体制強化」,「特別養護老人ホームの持続可能な運営と整備の促進」,「ホームレスとなるおそれのある人の自立支援に向けた取組」,「AI等新技術を活用した行政のスマート化の推進」,「地域共生社会の実現に向けた障害者の自立生活の支援拡充」,「麻しん(はしか)対策の推進」,「発達障害児に関わる医師の確保及び環境整備」が「合意」*2されている。
九都県市間の「協力体制」*3による同合意。今後の実現状況は,要観察。

 
 

*1:九都県市首脳会議HP(活動状況首脳会議)「第75回九都県市首脳会議

*2:九都県市首脳会議HP(活動状況首脳会議:第75回九都県市首脳会議)「第75回九都県市首脳会議の結果概要

*3:曽我謙悟『日本の地方政府 1700自治体の実態と課題』(中央公論新社,2019年)139頁

日本の地方政府-1700自治体の実態と課題 (中公新書 2537)

日本の地方政府-1700自治体の実態と課題 (中公新書 2537)