高齢者就労を官民で後押し 政令市初、静岡に窓口開設(中日新聞2019年6月19日) 

  働く意欲のある六十五歳以上の就労を官民で後押しする政令市初の窓口が十八日、静岡市役所にオープンした。人生百年時代にあって、高齢者の就職や社会貢献の創出に加え、企業の人手不足解消も目指す。

 窓口は「NEXTワークしずおか」で、市やシルバー人材センター、JA、商議所など官民の十団体が協議会をつくり、運営する。事務や工場での簡単な作業、介護や農業など、短期からフルタイムまで百社分の求人情報を一元的にそろえ就労相談にも応じる。

 売りは「気軽さ」。ハローワークと違って、カウンターはない。自由に出入りして求人情報を見ることができる。木工機械メーカーでアルバイトしている静岡市葵区の大橋治美さん(71)は「どんな仕事があるか興味があって来た。市役所に来た際にふらっと立ち寄りたい」と話した。

 初日は百三人が訪れ、うち六割が女性。マネジャーの一ノ宮由美さんは「女性の方が老後に対して切実に考えている傾向がある」と分析する。葵区の主婦飯田美枝子さん(54)は「いまは全く切迫していないが、夫はもうすぐ定年。将来も考えて来た」と語った。

 スタッフの想定外は、金銭面の不安を抱えて訪れた人たちの多さ。「老後資金に二千万円が必要」とする金融審議会の報告書問題で不安を抱えて来た人もいた。右半身に障害がある静岡市駿河区の男性(60)は「人生百年時代にあと四十年生きるには、ここで仕事を見つけないと命に関わる」と切迫した表情で語った。

 窓口は平日午前九時~午後四時。問い合わせはNEXTワークしずおか=電054(254)2770=へ。(広田和也)

本記事では,静岡市における就労支援の取組を紹介.

同市では,「65歳以上の高齢者」が「年々増加し」「元気な高齢者も多」いことを受けて,「地域・経済活性化等の観点から」「企業や地域で活躍することができる環境を整備する」目的から,同市役所内で「就労をはじめとした社会参加に関する高齢者向け窓口相談」*1を開始.同窓口を通じて「多くの関係機関と」「連携」し「就労促進に向けた様々な情報を1カ所で得ることができる」*2こととなる.「独自の就労支援」*3となる同取組.今後の就労状況は,要観察.

 
 
 

*1:静岡市HP(「􏰐􏰏􏰛􏰜􏰝􏰞􏰟􏰜􏰠􏰡􏰢􏰣􏰤􏰥􏰦􏰧􏰨􏰩􏰪􏰇􏰫􏰬􏰁􏰂􏰃􏰄􏰅􏰆􏰇􏰈􏰉􏰊􏰋􏰌􏰇􏰮いつまでも社会で輝き続けるあなたをサポート!「NEXTワークしずおか」オープン!」1頁

*2:前掲注1・静岡市􏰐􏰏􏰛􏰜􏰝􏰞􏰟􏰜􏰠􏰡􏰢􏰣􏰤􏰥􏰦􏰧􏰨􏰩􏰪􏰇􏰫􏰬􏰁􏰂􏰃􏰄􏰅􏰆􏰇􏰈􏰉􏰊􏰋􏰌􏰇􏰮いつまでも社会で輝き続けるあなたをサポート!「NEXTワークしずおか」オープン!)2頁

*3:伊藤正次「就労支援」伊藤正次編著『多機関連携の行政学 事例研究によるアプローチ』(有斐閣,2019年)181頁

多機関連携の行政学 -- 事例研究によるアプローチ

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