大阪府橋下徹知事は十二日の定例記者会見で、十七日から予算編成過程を府ホームページ(HP)で公表すると発表した。第一段階として各部署からの予算要求書を掲載する方針。要求時点からの公表は全国で初めてになるという。
 予算編成という税金の使われ方を府民に分かりやすく伝え、府政の透明性を図るのが狙い。予算要求書に続き、財政課長査定(−十二月下旬)や各部局の復活要求(一月上旬)などを随時掲載し、二月中旬に予算案を発表する。また査定前(十一月中下旬)に、予算編成で大きな方向性をつけるための「知事ヒアリング」を試験的に行う。まず府として予算規模などの枠を定める「戦略本部体制」を想定したもので、来年度以降の本格的スタートを目指す。HPでは事業概要と、それに対する予算額、要求額、査定額の内訳を公開。個別事業から関連する行政計画サイト、施策集サイトへのリンクや、キーワード検索を可能にするなど使いやすさも重視している。橋下知事は「自分たちの税金は自分たちの手元に置く、それが地方分権だと言い続けてきた。予算編成の過程を公表することが地方分権下における地方自治体の第一使命だ」と話した。

同記事では,大阪府において,今年度の予算過程を要求時から公開することを紹介.同公開については,本年の『平成21年度当初予算編成の基本方針』において「予算編成過程の公表をすすめる」ともあり,その実現が図られることとなる模様*1
予算過程の公開については,鳥取県の取り組みが広く参照される*2.同県HPを見ても分かるように,同県の場合,課長査定(要求)段階から公開の対象となっている.一方で,同記事では同府の取り組みは,「要求時点からの公表は全国初めてになる」ともされている.同府の取り組みは,同県とは異なる段階(課内調製レベル?)からも公開されるのだろうか.興味深い.
また,同記事及び『平成21年度当初予算編成の基本方針』には重要な点も記載.つまり,「知事ヒアリング」を行い,要求期限迄に提出された案を下に「大きな方向性」を定めるともある.これは,10月25日の本備忘録でも見た,まさに「契約アプローチ」*3による取り組みとも言えそう.ただ,知事の意向が反映されているであろう『平成21年度当初予算編成の基本方針』が制定されていることからすれば,まずは同方針で十分なのではないだろうかという疑問もないことはないが,同方針のもとでの要求者・査定者双方に整合性を確認(要請)又は意識付けをする「場」となるのだろうか.これまた,興味深い.
いずれも,同記事では,17日より公開されるとあり,詳細は帰国後に要確認.

*1:大阪府HP『平成21年度当初予算編成の基本方針』(平成20年11月5日)

*2:鳥取県HP「予算編成過程の公開

*3:田中秀明「財政ルール・目標と予算マネジメントの改革」青木昌彦・鶴光太郎『日本の財政改革』(東洋経済新報社,2004年)349頁

日本の財政改革 (経済政策分析シリーズ)

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