北海道鷹栖町は11月から、買い物をするとポイントがたまるカードを発行する民間会社と提携し、町の出身者らから利用しなかったポイントの提供を受け、児童図書購入に充てる事業を始める。
 民間ビジネスを利用した、いわば「ふるさと納税ポイント版」。町によると全国で初めての試みで、総務省も「聞いたことがない」としている。
 鷹栖町は東京都中央区のカード会社「サイモンズ」と提携し「たかすサポーターズカード」を発行。町の出身者に配布する。全国約1300ある加盟店で買い物をすると、支払額の1パーセントのポイントが付与される。ポイントは加盟店などで1ポイント1円として利用できるが、最長2年間の有効期限内に利用しなければ換金され、自動的に町に支払われる仕組み。町は年間数万円の歳入を見込んでおり、購入した児童図書は町立図書館に置く。助安嘉和町長は「ポイントはなるべく使わず、ふるさとのために役立ててほしい」と呼び掛けている。
 サイモンズによると、北海道稚内市も導入する方針で、全国の県や市町村からも問い合わせが来ているという。

同記事では,鷹栖町において,「ふるさと納税ポイント版」を取り組む方針であることを紹介.
同記事を拝読すると,同町出身者に対してカードを配布し,購入時に利用していただくことで,ポイントを蓄積し,そのポイントを当該出身者が「最長2年間の有効期限内」で未利用の場合には,換金のうえ,同町へ自動支払いされる,というもの.2009年10月20日付の北海道新聞による報道を拝読すると,同取組は,同町が取り組んでいる「ふるさとサポーター事業」として行われることとなり,その対象者は「現在,登録しているふるさとサポーター約250人」となり,当該カードを「会員証として送る」*1ことになる模様.同事業に関しては,同町HPを参照*2.同取組については,現在のところ,掲載されておらず,公開が楽しみ.
2008年5月11日付同年8月12日付の両備忘録でも取りあげた(納税もしてみた)ふるさと納税.同制度に協力していただくために,各自治体が行っている取組に関して,ふるさと納税情報センターのHPを拝読すると,情報提供方式が多い一方で,特産物提供等の提供を通じた,誘因付けの方式が採用されていることを見ることができる*3.ただ,ふるさと納税を行いたいと思いつつも,やはり,その手続費用を想定すると,やや自制的な結果になることも想定されなくもない.そのため,同町のように,いわば,「デフォルトオプション」*4として設定することは,その効果がみられると,非常に興味深い取組.要経過観察.

*1:北海道新聞(2009年10月20日付)「買い物ポイント児童図書購入に 鷹栖町 サポーターにカード提供

*2:鷹栖町HP「ふるさとサポーター事業のご紹介

*3:ふるさと納税情報センターHP(自治体の活動状況)「自治体のふるさと納税推進事例

*4:リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン『実践行動経済学』(日経BP社,2009年)141頁(本務校の演習において,参加されている学生さんと一緒に再読しましたが,政策を考える上では学ぶところが多いですね)

実践 行動経済学

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