本州の東西南北4端に位置する岩手県宮古市山口県下関市串本町青森県大間町の首長による「本州四端首長交流会議」が12日、串本町で初めてあった。首長らは今後も協力して4端のPRに取り組んでいくことを確認し、潮岬の眺望を楽しんだり、クロマグロの養殖を視察したりした。
 最端の地の地域特性を生かした4市町の交流を全国に発信し、観光振興など地域活性化につなげようと、2004年1月に本州四端協議会を発足し、連携や交流を深めている。当初、会議やPRイベントを東京で開いていたが、07年度からそれぞれの地で行うこととし、宮古市下関市に次いで串本町で開いた。
 訪れたのは宮古市の山本正徳市長(54)、下関市の中尾友昭市長(60)、大間町の金沢満春町長(59)で、3人とも串本町に来るのは初めて。田嶋勝正串本町長が町役場に3人を迎え、交流会議をした。本年度事業として新たなPRポスターとパンフレットを作ることや、次回は大間町で開催することを決めた。今後、東京の築地市場で4市町の水産物のPRをしていくことを検討していくことにした。
 その後、首長らは本州最南端の潮岬を訪れ、潮岬観光タワーから太平洋を眺めたり、望楼の芝にある記念碑前で写真を撮ったりした。紀伊大島で、クロマグロの養殖体験も視察した。串本町を訪れた各首長は「温かいし、海も柔らかさを感じる。水平線が美しい」と印象を語り、「4端というと不便、発展が遅れているなどのイメージがあるかもしれないが、こうして4市町が集まり一緒に活動することでパワーアップできる。これからもきずなを強くして活性化に努めていきたい」と握手を交わした。
 四端協議会は04年4月から、本州4端すべてを訪れた人にシリアルナンバーと4市町の首長の直筆サイン入り「本州四端踏破証明書」を交付し、本州4端オリジナル携帯ストラップを贈呈したり、抽選で4端の特産品をプレゼントしたりする「踏破ラリー」を行っている。今回、金沢・大間町長が達成し、証明書を受け取った。今年の達成者は103人(11月5日現在)で、06年の87人を超え、過去最高を更新している。開始以来の達成者合計は368人になった。年齢別では30〜39歳の105人、20〜29歳の104人が多く、住所別では関東が最も多い159人、次いで近畿57人、東海47人。

同記事では,本州の最端の4市町間での首長交流会議が開催されたことを紹介.本州の各方位における最端とは,2009年11月11日に訪問させていただきました「東」の宮古市(昨日,同年11月12日付の本備忘録にて紹介),「西」の下関市,「南」の串本町,「北」の大間町の4市町.
4市区を全て訪問された方には,同取組に関しては,「シリアルナンバー」が入れられた「4市町の首長の直筆サイン入り「本州四端踏破証明書」の交付」,「本州4端オリジナル携帯ストラップ」が漏れなく贈呈され,「抽選で4端の特産品をプレゼント」があるという.同取組に関しては,下関市HPを参照*1.「応募書類」は,「平成16年4月1日以降」に「到達/到着」された方を対象に,「本州四端の到着(訪問)証明書のコピー又は,本州四端に到着したことが分かる本人が写っている写真」という本人認証が可能な文書・画像とともに,「住所,氏名,年齢,電話番号を必ず添えて」,同市「総合政策部企画課本州四端踏破ラリー係」に郵送することとなる.同記事においても一部紹介されている,これまでの実績は,「平成16年」が「5名」,「平成17年」が「12名」,「平成18年」が「87名」,「平成19年」が「78名」,「平成20年」が「83名」,「平成21年」が「3月末現在」では「7名」と,「達成者合計」「272名」にも及ぶ.
昨日までの宮古市からの帰路の途中,「魚の生態系(資源量)が環境変動に連動して変化する」「レジームシフト」*2のもとで「漁業管理」を巡る「対策」(221頁)やその管理形態に関しては,広域性の観点から見解が分かれるものの,漁港を有する自治体への観察も興味深いのかなあと妄想(いわば,「漁港自治体の研究」,何だか美味しそうな観察課題ですね*3)していたなかでの同記事.漁港を有する市町間における「自治体間の横の連携」*4を通じて,相互には遠隔距離にありつつも,他地域の人の流動が想定されている.まさに,「補完される値する基礎能力=「補完される能力」を涵養」*5することにより,「水平補完」が行われている取組.興味深い(来週,下名,同記事でいう最「西」端である下関市への訪問を予定.ただ,宮古市訪問後に把握した記事のため,完全に期を逸してしまい(昨日同年11月12日付の本備忘録に掲載した映像以外にも「シートピアなあど」の写真も撮りましたが,下名一人での訪問のため,当然,「本人が写っている」ことはありません),残念.今度は,個人的に,串本町大間町にも伺い,事実上の「四端踏破ラリー」の達成を目指そうかな).

*1:下関市HP(下関の概要)「本州四端踏破ラリーのお知らせ

*2:本田良一『イワシはどこへ消えたのか』(中央公論新社,2009年)210頁

イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト (中公新書)

イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト (中公新書)

*3:想起してみると,前期の演習で輪読させて頂いた次の文献に収録されている論文も,対象及びその接近方法として参考となりそう.再読せねば.加瀬和俊「家族自営漁業における希望と自制」『希望学2希望の再生』(東京大学出版会,2009年)201〜228頁

希望学2 希望の再生

希望学2 希望の再生

*4:田口一博「自治体間の横の連携」森田朗・田口一博・金井利之『分権改革の動態』(東京大学出版会,2008年)154-155頁

分権改革の動態 (政治空間の変容と政策革新)

分権改革の動態 (政治空間の変容と政策革新)

*5:金井利之「地方自治のミ・ラ・イ20 垂直補完と水平補完」『ガバナンス』2009年10月,82頁

ガバナンス2009年11月号

ガバナンス2009年11月号