• 長野基「地域ガバナンスにおける多主体間連携形成の基礎的条件 新宿区『社会貢献的な活動団体』に関するアンケート調査からの考察」『跡見学園女子大学マネジメント学部紀要』第8号,2009年9月,101〜128頁
  • 『「地域における協議会」のあり方調査報告書』(跡見学園女子大学,2009年3月)

長野基先生より,ご恵与賜りました.ありがとうございました.
本稿では,「相互主義に基づく一定の共通の価値観・規範と,そこから生まれる主体間の「信頼」を基盤に参加主体間で課題解決に対して必要な資源を交換し,同時に交渉と説得とを通じて参加主体間の方向性(政策)の決定を行い,社会的課題の解決を図っていくこと」(108頁)として,「ガバナンス」を定義された後,「ガバナンス」を成立させる基礎的条件として,「ガバナンスへの参加する緩やかなネットワークの形成」(112頁)と,その主体間における「「緩やかな資源交換・依存」と「政策志向の文化」が応答しあること」(同頁)との仮説的考察を既存研究を下に抽出され,これらの仮説に対して,新宿区内で実施された郵送質問紙調査の結果をもとに,同仮説の妥当性を証明されております.
本稿を通じて,「緩やかな資源交換・依存」と「政策志向の文化」の妥当性を学ばさせていただくとともに,本稿末に指摘された,「政策志向」の「強い結合」である「パートナーシップ」組織が具体的に形成されるように向かうには「あと一押し」をする主体とそれを可能にする構造が必要」(125頁)との分析結果に関しては,本稿で提案された「「政策起業家」的主体」(同頁)を含めた,その多様な可能性を考えさせていただく機会を頂きました.
心より御礼を申し上げます.誠にありがとうございました.