松沢成文知事と県内市長らが一堂に会して、政策課題について意見を交わす「市長会議」が10日、横浜市中区の神奈川自治会館で開かれた。自治体の垣根を越えた広域連携の促進などが議題とされ、市長らが知事に対して、さまざまな要望を述べた。
 出席した市長からは、広域連携に関し「課題によって対応が異なる。できるだけボトムアップが望ましい」「財政状況が厳しい中、急激に補助制度が見直されると対応しきれない」などの意見が出た。
 また、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)移設が迷走する影響を懸念し、大和、綾瀬の両市長は、厚木基地を拠点にする米空母艦載機の岩国基地山口県)移駐の進ちょく状況について質問。松沢知事は「移駐の議論は(国に)進めてもらっている」と答え、現段階で計画に変更はないとの見方を示した。
 このほか、松沢知事は子ども手当について、県の検討会が地方が経費負担することの妥当性をめぐって議論を続けていることを説明し、「県民や市町村に迷惑が掛からないよう予定している額は支給したい」と述べた。

本記事では,神奈川県において,同県知事と同県に位置する市の市長との会議が開催されてことを紹介.同会議の詳細については,同県HPでは,現在のところ把握できず,残念.
同県が2009年3月に制定された「自治基本条例」の第18条では,「市町村の県政参加」に関する条項を置き,第1項では,「県は,県政に関する情報を,市町村に積極的に提供するよう努めなければならない」,第2項で「県は,市町村に関わる県の政策のうち,重要な政策の立案,実施及び評価の過程において,市町村が提案をし,及び意見を提出する機会の確保に努めるとともに,当該提案及び意見を尊重しなければならない」,そして,第3項では,「県は,市町村に関わる県の政策のうち,特に重要な政策について,市町村と協議をするための体制を整備するものとする」*1と,市に限定されることなく,市町村総体を想定することを規定されている.
そのため,何故,「市長さん」のみを対象とされた会議が開催されているのだろうか,と思いつつ,同県が制定された「自治基本条例」の「解説」を拝読.同条第2項に関する解説内で,同会議についても解説されており,「県知事と市長もしくは町村長が一堂に会し意見を交換することにより,相互理解を深め,協力して行政課題の解決を図る目的で年1回開」されている現状記述とともに,「昭和39年度から市町村長会議として開催」されていたものの「昭和48年度から市長会議と町村長会議に分けて開催」*2された経緯も紹介.なるほど,町村長さんが参加される会議を別途開催されていることが分かる.
ただ,本記事にて紹介されている「自治体の垣根を越えた広域連携の促進などが議題」が,例え具体化された場合,市と町村との間で,どのように「ペアを組みダンスを踊る」*3仕組みを設けることになるのか,要確認.

*1:神奈川県HP(県の運営情報地方分権地方分権の広場自治基本条例について)「神奈川県自治基本条例」(平成21年3月27日,条例第2号)

*2:神奈川県HP(県の運営情報地方分権地方分権の広場自治基本条例について)『神奈川県自治基本条例解説』(広域行政課,平成22年3月)59頁

*3:西尾勝行政学』(有斐閣,1993年)150頁

行政学

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