鹿児島県の本年度採用上級職員17人が8月28、29の両日、鹿屋市串良町上小原の柳谷集落(通称・やねだん)で1泊2日の自主研修会を行った。
 自立再生に取り組む同集落から学ぼうと、昨年に続き2回目。同じく研修で訪れていた立教大学大学院生ら15人とともに、豊重哲郎自治公民館長や集落住民の講話を聞いた。豊重さんは「地域づくりはつながりが大事。やねだんは人や世間が見てくれるからますますよくなる。人が見てくれる地域、社会をつくって」と助言した。
 28日には串間市を午後8時半に出発し、約11時間かけて集落まで約40キロ歩くナイトウオーキングも実施。集落住民らを含め約50人が参加した。県共生・協働推進課の吉峯萌さん(22)は「ウオーキング中に声をかけてもらい、協力し合う姿を見て、住民総出がやねだん地域再生の秘訣(ひけつ)と感じた。都市部やほかの地域にどう生かしていくか考えたい」と話した。

本記事では,鹿児島県の2010年度に採用された職員の方々による自主研修会の取組を紹介.
本記事では,同取組に関しては「昨年に続き2回目」と報道されており,そのため,同県HPに掲載されている「平成20年度」における『鹿児島県における人事行政の運営の状況』を拝読させて頂いても,特段明記されていない模様.当該取組でいう「自主」の意味合いとしては,いわゆる「当局」*1が提供する「新規採用職員研修」*2に含まれる取組として整理できるのだろうか,又は,同県の「鹿児島県職員研修規程」第6条を拝読させて頂くと,「職員の責務」として,「職員は,研修に積極的に参加するとともに,常に自己研さんに努めなければならない*3との後段の規定にも合致する,まさにその名通りの新規採用者による「自主」的な取組であるのだろうか.要確認.
「人材育成の成果は一朝一夕であがるものではない」,「若手職員が15年,20年後に中堅職員になった頃にその効果が現れれば成功」*4と,自治体職員の呼称が,「新人」から「若手」へと移行され,長期に亘る「若手」の時期(下名,この職員の「若手」の期間の長さが,職務の習熟度であるのか,年齢であるのか,入庁期間であるのか,はたまた,個々人の気持ちであるのか,以前からよく整理がつかない用語の1つではありますが)を終えた後,人材育成への「効果」測定には長期に及ぶとも解されるなか,同県職員の「自主」的な取組の効果もまた,要経過観察.

*1:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『ホーンブック地方自治』(北樹出版,2007年)200頁

ホーンブック 地方自治

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*2:鹿児島県HP(県政情報組織・人事・叙勲等人事行政鹿児島県における人事行政の運営等の状況を公表します)『鹿児島県における人事行政の運営の状況(平成20年度)』3頁

*3:鹿児島県HP(県政情報条例・公報条例鹿児島県例規集データベース)「鹿児島県職員研修規程」(平成2年3月30日,訓令第4号)

*4:田村秀「若手職員とどう向き合うか ―職員研修のあり方を見つめ直す」『ガバナンス』No.11,2010年9月号,46頁

ガバナンス 2010年 09月号 [雑誌]

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