足立区は来年度から、教育や福祉などの分野で専門性を備えた職員を育成する新たな人事制度を導入する。採用後2〜3の職場を経験した若手職員が、本人の申し出によって専門知識を習得し、各分野のスペシャリストとしてキャリアを築くことができる。3〜4年周期の職員異動からも外し、8年以上同じ分野に所属して技能を高める。
 区の見込みでは2018〜20年度にベテラン職員が大量に退職することから、若手職員に知識やノウハウを継承してもらうため導入を決めた。来年度は教育、福祉、財務、法務、税務の5分野で希望者を募り、所属長評価を基に専門職員を認定する。現在の取得資格は問わない。各分野の専門職員の人数は未定で、区担当者は「エリート職員を育てるのではなく、職員の希望や意欲が生かされる仕組みをつくり、組織力を高める狙いがある」と説明している。 (奥野斐)

本記事では,足立区における人事制度の取組を紹介.同取組は,同区HPを参照*1
同取組では,2015年度から「一定程度の経験を経た」職員に対して「専門性を必要とする特定の分野」の「専門職員を育成する複線型人事制度」を*2実施.具体的には,「採用後2〜3職場」での「一定程度の職務経験」を「経た職員」が対象となり,「職員の意欲・適性,能力を活かせる職場に配置」し,「職務知識習得後」「本人の申出と所属長評価を基に専門職員を認定」*3する.「認定された職員」は「専門研修の受講や外部派遣で専門知識を高め」「各分野のスペシャリストとして課題解決や人材育成に取り組む」*4ことになる.「期間」は「8年以上のジョブローテーション」となる.2015年度の開始時点では「教育」「福祉」「財務」「法務」「税務」*5の5分野で開始.2016年度以降は「分野を拡大」*6する予定.
「専門職的キャリア形成」による「複線化」*7と整理ができそうな同取組.従来のジェネラリスト的な人事配置と専門職化による人事配置との調整過程は,要観察.

*1:足立区HP(区のデータ・資料はい、区長です。区長記者会見)「足立区長定例記者会見」(平成26年11月21日(金) 午後2時00分〜足立区役所 南館8階 特別応接室)

*2:前掲注1・足立区(足立区長定例記者会見)6頁

*3:前掲注1・足立区(足立区長定例記者会見)6頁

*4:前掲注1・足立区(足立区長定例記者会見)6頁

*5:前掲注1・足立区(足立区長定例記者会見)6頁

*6:前掲注1・足立区(足立区長定例記者会見)7頁

*7:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『第3版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2014年)235頁

ホーンブック 地方自治[第3版]

ホーンブック 地方自治[第3版]