小中学生向けの教室「大川市数学かけこみ寺」が好評だ。地域の子供たちが「数学日本一」となることを目指し、市が今年度から無料で開いている。丁寧な指導ぶりから、10月からの第2期も定員を上回る参加者が集まり、「算数が得意になった」との声も寄せられている。
 大川市は全国有数の家具産地。家具や建具に用いる部材の細工には設計段階で緻密(ちみつ)な計算が求められる。市は「ものづくりの基礎に算数・数学は欠かせない教科」として、4月から数学かけこみ寺を始めた。市文化センター研修室で、毎週水曜日の午後5時半に開いている。先生役は、経営政策課や上下水道課、市立幼稚園などに勤務する市職員。大学の理系出身者や数学の教員免許を持つ人もいる。ボランティアで、32人が登録し、交代で務めている。
 市内外の小学4年から中学3年までの児童、生徒約50人が学んでいる。学校で使う問題集や宿題にそれぞれ向き合い、行き詰まったら職員が隣に座り、分かるまでじっくり付き合う。約50人のうち6割は4月からの継続組だ。田口小5年岡優樹君(11)は「算数がますます得意になってきた」と笑顔を見せる。久留米市の城島中2年田島優弘君(14)も「学校の授業の予習と復習がしっかりできるので、記憶が定着するし、勉強のリズムもできる」。世話人で市経営政策課の山田秀幸さん(44)は「ものを教えるのは難しい面もあるが、子供が理解できた時に見せる笑顔が何よりうれしい。大人になっても勉強の連続。この教室を通じて勉強好きになってくれれば」と願っている。

本記事では,大川市における「大川市数学かけこみ寺」の取組を紹介.同取組の概要に関しては,同市HPを参照*1
同「市職員が」同「市内のこども達の「数学日本一」をめざし」て,「算数,数学の自学自習のサポート等をボランティアで行」う取組,「10月6日」以降「2月23日」迄の間,「毎週水曜日」の「計17回」を開催.本年度の「6月」から「8月」の間に「17時30分〜19時00分」で「計12回」で開催された「第1期」*2の取組では,参加者数の規定が設けらてはいなかったものの,今回は,「小学生」を「32名」,「中学生」を「12名」を対象とされ,時間も「17時30分〜18時50分」と若干短くなり,開催.「参加費」は「無料」*3.なお,「水曜日」という日取の設定は,2010年8月13日付の毎日新聞の報道を拝読すると,「「ノー残業デー」とする水曜日の夕方を活用」*4されたことによる,という.まさに,職員の方々のボランティアの取組.
本記事を拝読させて頂くと,「先生役」は「ボランティア」で「32人が登録」されている模様.上述の「第1期」では,2010年5月8日付の朝日新聞による報道を拝読すると,第2期と同様に,「数学を担当した元教員や,大学で数学を専攻した市職員など」であるものの「19人」*5であったことに比べると,14名の増加.数学に「強い職員」*6」が保有される,「「特殊体系化された知識・技能」でありつつ,「個別の職域の特徴にかかわらず,共通に応用可能な性質が濃い」,「専門能力」*7の活用としても,興味深い(同市の職員の皆さんは,「数学からの卒業を人生の先に持ち越して」*8いらっしゃるのか,はたまた,数学を「「普遍的」な専門能力を,当面する職場・職域の必要に応じて修正・発展させたもう一つの能力」とされる「職務能力」*9として習得されているのでしょうか,こちらもまた,興味深そう).

*1:大川市HP(お知らせ一覧)「「大川市数学かけこみ寺」(平成22年度第2期)

*2:大川市HP(お知らせ一覧)「「大川市数学かけこみ寺」

*3:前掲注1・大川市(「大川市数学かけこみ寺」(平成22年度第2期))

*4:毎日新聞(2010年8月13日付)「市職員のボランティア 算数・数学を個別指導−−福岡県大川市 /福岡

*5:朝日新聞(2010年5月8日付)「めざせ「数学のまち」

*6:鈴木潔「行政事件訴訟法と訴訟法務」『Jurist』No.1394,2010.2.15,68頁

*7:前掲注5「・水谷三公1999年:359〜360頁

*8:田辺国昭「選挙における得票と議席広田照幸・川西琢也編『こんなに役立つ数学入門』(ちくま書房,2007年)79頁

*9:水谷三公『官僚の風貌』(中央公論新社,1999年)360頁

日本の近代 13 官僚の風貌

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