2月8日,9日と,鳥取県に,調査のため訪問.天候を以前から心配しておりましたが,予想に反して,穏やかな天候の折に,訪問させて頂きました.
2月8日は,自宅から移動の途中,新宿駅で山手線に乗りこんだ際に,田端駅で線路火災のアナウンス.5分ほど,混雑の車中で待っていても,復旧の見通しが立たないようであり,目の前に来た総武線に乗り換え,浜松町からのモノレールの利用に切り替え(信濃町辺りで復旧のアナウンスがありましたが).水面を滑るように進むモノレールも,随分と利用して居なかったので,風景を楽しみつつ移動.
鳥取空港から鳥取駅まで,バスで移動後,庁舎に向けて,徒歩で移動.途中,現在,全国の自治体庁舎の観察者の皆さんが注目されている(といっても,そのような方が,どの程度居られるのか,把握しきれておりませんが)「位置条例」*1なき庁舎であり,「「二核二軸」構想」*2により,現在地からの移転も検討されている鳥取市庁舎を観察.実際に,庁舎内に足を踏み入れて拝見.2008年12月7日付の本備忘録にて項目立てを試みた本備忘録の妄想的・断続的観察課題のひとつ,「庁舎管理の行政学」における,特に「第3章:役所食堂の行政学」の観点からも,下名個人的に驚いたのは,食堂の配置階.同市HPの「本庁舎のご案内」*3には掲載されてはいないものの,同市役所では,食堂が2階に配置.(必ずしも集計したわけではありませのであくまで経験的観測からですが)地下階,若しくは,最上階,そして,1階での食堂配置の事例を暫し観察させて頂くことがあるものの,同階に設置されるまでには,どのような経緯があったのだろうか,と少し考えてみる.

市役所を出て,県庁舎へと移動.県庁舎に足を踏み入れると,2011年2月4日に配置されたばかりの「水木しげる夫婦のブロンズ像」*4が1階でお出迎え.同ブロンズ像,同県庁舎を「ゲゲゲの県庁」*5と銘を打って設置された模様.これまた興味深い.少し時間があったので,地下の購買部を見ていると,これまたユニークな鳥取県Tシャツが販売(鷹の爪団の「島根Tシャツ」との並びで揃えたいですね).

市役所,県庁舎の両庁舎観察に満喫した後は,今回の本題である,同県における意思決定,人事・組織編成,予算編成,企画立案の調整手続等に関して,お話を伺わせて頂きました.特に,2010年2月7日付の本備忘録にて記録した「統轄監」の設置目的と「政策の統轄と総合調整」*6の取組,そして,こちらも,2010年9月10日付の本備忘録でも記録をしていた,同県における予算編成改革と「政策戦略会議」*7の設置の取組は,いずれも,備忘録記録時から,是非とも運営状況のお話を伺ければとの思いもあり,今回,実際の運営状況に関してお話を伺う機会を頂き,大変多くのこと学ばせて頂きました.非常にご多用の折にも関わらず,多くのお時間を設けて頂きました,鳥取県の皆様には,心より御礼申し上げます.ありがとうございました.早々に取りまとめさせて頂きたいと思います.
お話を伺った後,階段で庁舎を降りて行き,何気なく2階で止まると,庁舎内に「図書室」との部屋があることに気付く.遠巻きに,何の部屋なのだろうと思い,眺めていると,やはり,居ても立ってもいられなくなり,同室内の職員の方々に,お話を伺う.すると,同県庁の職員向けの図書室として配置されており,組織的には,先ほどの「統轄監」内の「総務課」*8に所掌され,県立図書館の分室でもあるという.なるほど.職場では「職務能力」,そして「職場能力」の比重に重きが置かれつつ,いずれも職場での仕事を通じて習得されることが不可避ではあるものの,一方で,「専門能力」*9に関しては,個々の職員の皆さんの「手弁当」に依拠されていることに,下名,疑問を感じていたため,同県庁における図書室という環境整備には,ただただ,驚き.このような,(議会図書室や情報コーナーとは異なる)職員に対する庁舎内図書館の取組は,他の自治体でもあるのだろうか,要確認.