県職員の採用説明会が27日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開かれ 約250人が県の若手職員の語る仕事のやりがいなど生の声に耳を傾けた。 来月から申し込みが始まる採用I種試験は本年度から、一般行政職(特別枠、資格免許職以外)の第2次試験の個別面接が2回に増え、面接試験の配点が引き上げられるなど、より人物面を重要視するよう変更されている。
県人事委員会事務局総務課によると、昨年度は前年より77人多い564人が受験。最終競争率の平均倍率は10・8倍だった。最も倍率が高かったのは資格免許職の社会福祉士の27倍。
 例年、一般行政職(事務職)の志望者が多く、今回の説明会参加者の8割が事務職志望という。本年度は、一般行政職特別枠(特筆する能力などで選考される)が10人、警察事務が14人、総合土木が14人と昨年度より募集人数が倍増。 全国的に地方自治体の試験は人物面を重視するよう移行しており、県でも今回から 一般行政職の第2次試験の面接試験の点数を1400点から1800点に引き上げている。
 説明会では若手職員代表が、仕事内容や体験談を発表。 平成16年に入庁した国体準備課の松下教子副主査(32)は、数年で異動があることについて「新しい課に入ると、新しい勉強ができる。 いろいろやってみたいという気持ちになれる。同期入社が多く心強い」。 同じく16年に入庁した青少年男女共同参画課の稲垣貴也副主査(29)は「住民の暮らしを守る仕事。活躍できる場がありみんなで協力してやっていこうという雰囲気がある」 と話した。
 同試験は6月26日に、和歌山会場(県立向陽高校か市立日進中学校)、田辺会場(県立田辺高校)で実施。受験受け受けは、インターネットが5月9日から20日、郵送が16日から27日。 問い合わせは同事務局(TEL073・441・3763)へ。

本記事では,和歌山県における採用説明会の取組を紹介.同説明会に関しては,同県HPを参照*1
同説明会では,「昭和51年4月2日以降生まれ」の35歳以下の「Ⅰ種試験受験希望」を対象に,「平成23年度Ⅰ種試験の概要について」を説明されるとともに,「職種別プログラム」が設けられており,「事務系と技術系の職種毎に分かれ」「先輩職員から業務内容や仕事のやりがい等」が「説明」され,「希望者」には「ブース形式」で設置される「個別相談会」で「疑問や質問にお答え」された模様.同県では,「大学での職員採用説明会(春季)開催」も5月10日から12日,17日,18日,19日,20日の6日・6大学で「予定」*2されており,積極的に説明会を開催される模様.ただ,大学での説明会では,(これまでの受験状況を踏まえてでしょうか)3つの大学で「学外参加」が「不可」*3とされており,開催される大学の学生さんを優先対象とされている.同県では,事程左様に積極的な開催状況.他の自治体の説明会の開催状況も,要確認.
「先輩職員」からの説明を通じて,「プラスと考えられることだけでなく,マイナス面に関しても求職者に提供」する機会としての「Realistic Job Preview*4としての機能も想定されそうな取組.なるほど,興味深い.ただ,場合によっては,各先輩職員からは,そのキャリアのみならず,「組織人」*5へと移行する段階で取り組まれた,一見すると「いわゆる雑用」的であり,実際には「仕事のエッセンスが隠されている」ともされる,自治体職場的「追い回し」業務の経験である「正統的周辺参加*6についても振り返ってもらえると,より身近に感じられる

*1:和歌山県HP(リンク人事委員会トップ ページ和歌山県職員採用情報)「和歌山県職員採用説明会

*2:和歌山県HP(和歌山県情報館リンク人事委員会トップ ページ和歌山県職員採用情報和歌山県職員採用説明会平成23年度大学での職員採用説明会(春季)開催予定

*3:前掲注2・和歌山県平成23年度大学での職員採用説明会(春季)開催予定)

*4:今野浩一郎, 佐藤博樹『マネジメント・テキスト 人事管理入門<第2版>』(日本経済新聞出版社,2009年)84頁

マネジメント・テキスト 人事管理入門<第2版>

マネジメント・テキスト 人事管理入門<第2版>

*5:桑田耕太郎・田尾雅夫『組織論 補訂版』(有斐閣,2010年)208頁

組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)

組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)

*6:稲葉祐之, 井上達彦, 鈴木竜太, 山下勝『キャリアで語る組織経営』(有斐閣,2010年)39頁

キャリアで語る経営組織 --個人の論理と組織の論理 (有斐閣アルマ)

キャリアで語る経営組織 --個人の論理と組織の論理 (有斐閣アルマ)