丸亀市は1日、市の本庁や出先機関に置いてある公用自転車17台すべてに距離メーターを設置した。走行距離から、公用車を使った場合と比較したガソリンの削減量や二酸化炭素(CO2)排出削減量を計算。具体的な数値を職員に示すことで、経費削減や地球温暖化対策に役立つ公用自転車の利用促進につなげる。
 同市は、CO2排出量の削減や燃料費の節約などを目的に2008年度に公用自転車10台を購入。雨の日や荷物が多くない時は、片道3キロの範囲は自転車を使うよう職員に呼び掛けており、10年度は約1200回の利用があった。距離メーターは4センチ四方の小型で、センサーで車輪の回転数を読み取り、走行距離のほか、速度や消費カロリーなども表示できる。取り付け費込みで1台3千円。公用自転車利用によるガソリン削減量やCO2排出削減量は市のホームページでも公表する。同市は「将来的には公用車の削減につなげたい」としている。また、職員の運動・栄養指導やメタボリック対策にも距離メーターを役立てる予定で、“必要”な職員には自転車利用を推奨していくという。

本記事では,丸亀市における公用自転車の取組を紹介.
本記事を拝読させて頂くと,同市が現在保有される17台の公用自転車全てに「距離メーター」を設置され,その乗車距離をもとに,公用車を利用した場合の「ガソリンの削減量」「二酸化炭素」「排出」の「削減量」を算出.同削減量という「事実の提示」*1を通じて,同市職員の皆さんの,公用車利用から「公用自転車の利用促進」という,「モーダルシフト*2を企図された取組の模様.
また,本記事を重ねて拝読させて頂くと,「公用自転車利用によるガソリン削減量やCO2排出削減量は市のホームページでも公表」される方針とのこと.「選択者が自分自身の判断で選択するようにしむけ」*3るための取組とすれば,公用車を利用される職員の皆さんの間での同数値の共有と浸透の優先順位が高いようにも思わなくもないものの,広く市民に対して公表されることで,市内全体での「モーダルシフト」もまた企図されているのだろうか.同取組に関しては,現在のところ同市HPには掲載されていない模様,残念,公表後要確認.

*1:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),195頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

*2:藤井聡・谷口綾子『モビリティ・マネジメント入門』(学芸出版社,2008年)18頁

モビリティ・マネジメント入門―「人と社会」を中心に据えた新しい交通戦略

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*3:リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン『実践行動経済学』(日経BP社,2009年)143頁

実践 行動経済学

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