大阪府は、2012年4月採用の26〜34歳を対象にした行政職1次試験を初めて東京都内でも実施することを決め、21日、採用セミナーの参加者募集を始めた。多様な人材を確保する狙いがあり、橋下徹知事は民間出身の米国政府要人を例に「社会人経験を積んだ人に公の職に就いてほしい」と呼び掛けている。
 橋下知事が引き合いに出した要人は、米ホワイトハウスアジア外交政策を総括する国家安全保障会議アジア上級部長に今年4月就任したダニエル・ラッセル氏。ニューヨークの民間会社で勤務経験があり、05〜08年に駐大阪・神戸総領事を務めた知日派だ。同氏と面識がある知事は「いろんな職業を経験して米国の政府機関に入った」とダニエル氏の経歴に注目し、“経験”を府職員希望者に求めた。
 人材確保をめぐって、府は昨年12月に採用戦略を策定し、求める人材像として「チャレンジする自律型の人“財”」を明確化した上で法律、行政学などのマークシート試験の廃止や人物評価の重点化など試験制度を見直した。府人事委員会事務局によると、26〜34歳行政職の採用人数は35人程度。1次試験は10月9日で、東京会場は上智大四谷キャンパス、大阪会場は桃山学院大を予定。東京試験の実施に合わせて8月20日に都内でセミナーを開き、府の施策を説明する。

本記事では,大阪府における職員採用の取組を紹介.
2010年12月29日付の本備忘録にて記録した,同府の職員採用試験制度改正の取組.同改正を受けて,2011年5月の採用試験では,「第1次試験」では,「択一式」がなく,あわせて職種としては「行政には「法律・経済の論文試験」もなく,「小論文」と「大阪府を志望した理由」「自己アピール」「学生生活などで最も力を入れたこと」の「3つのテーマで出題」された「エントリーシート」により実施.その後,「第2次試験」では「論文」と「個別面接」,「第3次試験」では「個別面接」と「グループワーク」「適性試験*1が実施されている.同採用試験の実施においては,「昭和61年4月2日から平成2年4月1日までに生まれた人」であるか「平成2年4月2日以降に生まれた人」で「学校教育法」に「基づく大学(短期大学を除く.)を卒業した人(平成24年3月までに卒業する見込みの人を含む.)又はこれと同等の資格があると人事委員会が認める人」の「いずれかに該当する人」との「受験資格」.
「30名程度」の「採用予定者数」のなかで,「3,550名」の「申込者数」があり,「1次」では「2,383」名が受験し「285」名が合格,「2次」では「278」名が受験し「91」名が合格,そして「3次」では「84」名が受験し「49」*2名が合格.「平成22年度職員採用試験」では「事務」の「合計」が「11.9」*3倍であったことと比較すれば,「48.6」倍と,制度改正により,その倍率が高まっている.本記事では,2011年5月の採用試験からは応募要件が変更され,「昭和52年4月2日から昭和61年4月1日までに生まれた人」を対象として,「35名程度」の採用を目処に,「10月」に「東京でも実施」*4されることを紹介.同採用試験の実施状況も要確認.
ただ,同HPでは,試験実施中は「学歴,職歴,資格・免許について質問することはありません」とも記載.2008年12月28日付以降,本備忘録にて断続的に観察する自治体人事管理における「半開き(semi-open system)化仮説」への関心からも,試験中,「職歴」に関する質問をしないことで,社会人であることの「経験」を,同府ではどのように把握されているのかは,興味深いところ.「行政は人なり」*5とすれば,社会人経験を踏まえて,どのように,「組織人」*6としての,いわば自治体職員化されているかもまた,要確認.