山北町役場に来庁者のための「ご用ききスペース」がお目見えした。用件に応じて担当課に足を運んでもらうのではなく、担当職員がスペースに出向き、相談や問い合わせに迅速に対応する。町は「お待たせしないようすぐに飛んでいきます」とPRするが、果たして―。
 企画財政課によると、町民サービス向上の一環として、湯川裕司町長が発案。今月2日、役場1階の町民ホールに開設された。テーブルが4卓あり、それぞれに設置されているブザーを押すと、隣の町民税務課の職員がまずは応対。用件を聞いた上で、担当課の職員に来てもらう。
 周囲に聞かれたくない相談内容に応えられるよう、ついたても用意した。休憩などにも利用可能で、足柄茶が飲める給茶器も置いてある。「打ち合わせやコミュニケーションの場としても活用を」と呼び掛けている。

本記事では,山北町における「ご用ききスペース」開設の取組を紹介.住民が相談,問い合わせのために来庁した後,担当課の担当職員から,同スペースに出向き,対応される取組.興味深い.
同町が発刊されている「広報やまきた」2012年4月号では,「役場の組織機構の見直し」の一環として,「サービスを向上させるための取組み」を掲載.同取組の一つでは,同町「庁舎1階」の「町民ホールを活用」が挙げられている.具体的には,「来庁者の負担を軽減するため」に「様々な行政手続きや相談など」を「総合案内と連携して来庁者の相談や各課の案内情報等を提供できる場」を設けたことが紹介.同広報誌を拝読させて頂くと,確かに,その機能では類似しているものの,本記事にて紹介されている「ご用ききスペース」の名称は,必ずしも明記されてない.同広報誌内では,同スペースの「見直しは常に行います」*1ともある.
住民の相談,問い合わせは,予め「所管事項がな」*2いことが多いなか,本記事では,「隣の町民税務課の職員がまずは応対」し,その「用件を聞いた上で,担当課の職員紹介」をする,税務課がいわば総合窓口,又は,総合案内となり,担当課に繋ぐ,2段階方式を採用(これはこれで興味深いですね).改めて,同町の「庁舎案内図」*3を確認させて頂くと,同スペースは,同庁舎1階の左側に配置されており,より入口に近い空間が「みんなのスペース」,そして,税務課の隣の同空間に同スペースが置かれていることが分かる.その背景には,税務課という所掌事項によるというよりも,やはり,同スペースが配置されている空間と職員動線が反映されているのだろうか.要確認.

*1:山北町行政情報広報・広聴広報やまきた)「2012年 広報やまきた」2012年4月号,4頁

*2:扇谷正造『対話ルポタージュ すぐやる課太平記』(産業能率短期大学出版部,1971年)102頁

すぐやる課太平記 (1971年)

すぐやる課太平記 (1971年)

*3:山北町行政情報町役場の案内)「庁舎案内図