熊本都市圏のバス路線網再編を検討している熊本市は10日、民間バス事業者4社の運行を、熊本都市バスが一元的に管理する体制の導入に向け調整を進めていることを明らかにした。来年度から人的体制やシステムの検討を始め、2016年度からの運用を目指す。
 都市バスは、市営バス路線の受け皿として民間3社が共同出資して07年に設立。15年4月までに移譲を終える予定。同都市圏のバス路線網をめぐっては、事業者間の路線競合や、市中心部でバスが数珠つなぎになるなどが長年の課題となっていた。一元的な運行管理によって効率的で利便性の高いバス路線が期待される。
 同日あった市公共交通協議会の専門部会「バス路線網再編部会」の初会合で報告した。市と事業者4社は昨年8月、「バス路線網再編プロジェクト」を発足。定期的に会合を重ね、運行体制などの協議を進めてきた。その結果、各社個別の時刻表や路線図を統合し、都市バスが全社の運行を一元管理する方向で大筋一致。10月にまとめる再編の素案に盛り込まれる見通し。運行体制の一元管理に向け、早ければ10月にも九州産交熊本電鉄が競合する交通センター−楠・武蔵ケ丘を結ぶ路線の一部で、ダイヤを調整し、共通時刻表を導入する。市交通政策総室は「市が積極的に支援しながら、各社で異なるダイヤ編成や管理システムを共通化し、効率的な運行体制を確立したい」としている。(平井智子)

本記事では,熊本市におけるバス路線再編の検討状況を紹介.
同検討は,同市が2012年5月に設置された「熊本市公共交通協議会」*1内に,「バス路線再編の詳細検討」を図るために「バス路線網再編部会」*2が設置.本記事では,同部会の第1回目の開催を紹介.本記事を拝読させて頂くと,2011年9月2日付の同紙が特集をされた同市が「調整役」となりつつも,事業者間で運行の「リダンダンシー*3を整序を検討される「バス路線網再編プロジェクト」*4の検討結果を踏まえて,「都市バスが全社の運行を一元管理する方向」で更なる「詳細検討」が進められる模様.
一方で,他の部会の一つ「コミュニティ交通部会」では,いわゆる「公共交通空白・不便地域」への「コミュニティバス*5による解消も検討.場合によっては,「公共交通空白・不便地域」の解消へは「コミュニティバス」による一元化アプローチに留まらず,運行の重畳性に対して一元化アプローチによる解消策との間で補完しつつ多元的アプローチで解消が図られると,交通体系の更なる効率化も図れそうか.今後の各部会の検討状況も要観察.