人口減少に歯止めをかけようと、芦屋町は新しく住宅を取得した住民に、最高45万円分の商品券を交付する「定住促進奨励金制度」を始めた。町企画政策課によると、県内で現金を支給する定住策はあるが、商品券の交付は初めてという。
 今年1月から5年の間に、町内で一戸建て住宅を取得し、固定資産税を納めた人が対象。新築や建て替え、中古住宅の購入が条件で、マンションなどには適用されない。納めた固定資産税と同額(年間上限15万円)の商品券が3年間贈られ、最高45万円分受け取れる仕組み。商品券は町商工会が発行し、町内の飲食店や商業施設など約400店で使えるという。
 同課は「人口の流出を防ぐとともに、商品券の利用で、町の商工業の振興も図りたい」としている。町の人口は1976年の1万9728人をピークに減少傾向で、今年3月末時点は1万5083人。町の試算では2020年に1万3700人まで減る見込み。町は定住策で人口の落ち込みを減らし、20年に1万4300人にしたいとしている。同課=093(223)3571。

本記事では,芦屋町における定住促進の取組を紹介.同取組は,同町HPを参照*1
同取組は,「定住化を促進し,活力あるまちづくりを推進する」ことを目的とされており,同「町内で戸建住宅を取得(新築・購入・建替え)した方」に「固定資産税相当額の商工会商品券を交付」するもの.具体的な交付額は「対象の住宅や土地に課税される固定資産税に相当する額」か「15万円のいずれか少ない額」,つまり「3年間で最大45万円」を「商工会商品券」で「固定資産税が初めて課せられる年度から3年間」*2交付される.
 対象者は「平成25年1月2日〜平成30年1月1日」で「土地の面積が330㎡」未満で「町内の戸建住宅を取得した方」で「新たに固定資産税が課税された方」交付を受けるための対象要件は5項目あり,これら5つを「すべてを満たすことが必要」とされている.具体的には,「取得した住宅に居住し,住民登録があること」,「世帯全員の町税などの滞納がないこと」,「過去にこの奨励金の交付を受けていないこと」,「取得した住宅が建築基準法都市計画法に適合した住宅であること」の4項目とともに,「自治区に加入していること」*3も要件とされている.
自治会の加入要件を確認するためか,「自治区所属証明書」*4の提出も求められる.果たして,どのような同証明書の様式なのだろうかと想い確認させて頂くと,A4用紙1枚に「自治区名」と「区長」名を記名し「印」を押印し,「下記の方は  区に所属していることを証明します.」*5との一文のみが記されたシンプルな証明書となっている.
ただ新築や移転等をするだけではなく,自治会に「入るのは当然」*6,そして,記名と押印が頂ける関係性を前提ともされている同取組.「定住」とは地縁を持つこと(持っていること)との理解もできそうであり,興味深い.

*1:芦屋町HP「今、芦屋町で住宅を取得すると3年間で最大45万円の奨励金を交付します

*2:前掲注1・芦屋町(今、芦屋町で住宅を取得すると3年間で最大45万円の奨励金を交付します)

*3:前掲注1・芦屋町(今、芦屋町で住宅を取得すると3年間で最大45万円の奨励金を交付します)

*4:芦屋町HP(今、芦屋町で住宅を取得すると3年間で最大45万円の奨励金を交付します)「定住促進奨励金の申請から交付まで」

*5:芦屋町HP(今、芦屋町で住宅を取得すると3年間で最大45万円の奨励金を交付します)「自治区所属証明書」

*6:武岡明子「第1章 住民と住民組織」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)28頁

地方自治論入門

地方自治論入門