熊本県蒲島郁夫知事は22日、東大本郷キャンパス(東京都文京区)で開かれた東大公共政策大学院のセミナーで、同県の人気PRキャラクター「くまモン」をテーマに講演した。講演中にくまモンも登場、「くまモン体操」を披露すると、学生ら約170人から大歓声が上がった。
 知事就任前は東大教授だった知事は「くまモンの政治経済学」と題して講演。くまモンには年間約1千億円のPR効果があるとし「経済的な豊かさをもたらしただけでなく、県民に誇りや夢を与えている」と指摘した。

本記事では,熊本県における営業部長の取組を紹介.2013年5月17日付の本備忘録に記録しましたが,くまモン東京大学に登場したことを紹介.
というわけ(でもないのですが),下名も東京大学で開催された公共政策セミナーに出席.メインの報告者は蒲島郁夫熊本県知事.とはいえ,内心,やはりくまモンの登場を期待しつつ同セミナーを訪れてみました.

同県知事からは『行政の新フロンティア〜くまモンの政治経済学〜』の題目で,「蒲島県政」のこれまでとこれからのお話がありました.お話では,例えば,あえて「熊本県政」と呼ばず「蒲島県政」と呼び,「従来の行政は,指導,規制,管理に重きを置く.そのため継続,没個人」となりがちの行政スタイルからの転換に重きを置いていること.同県の目標である「県民の総幸福量の最大化」を目指すためには「決断の政治」,「対応の政治」,「目標の政治」を,県政の「枠組み」に置き,目標の実現を目指されていることなど,具体的なケースごとにお話があり興味深い内容でした.

「枠組み」という説明や,県民の総幸福量の最大化は全微分による要因分析が県政の基本であるとのお話などは,研究者を前職(現職?)とされる知事ならでもあり,また,質疑のなかで「地域の活性化のためにも,熊本県から離れる若者をどのようにつなぎとめるか?」という質問には,「フルセットでできなければできない,という考え方もある.しかし,熊本にも人はいる.例えば,熊本県庁も学ぶ場だ.いまいる人たちをまずは優秀にすればよいのだ.人間の遺伝子は同じであり,スイッチオンするかしないかの違いではないか.そのため,オンしていない人のスイッチを押すことだ」との回答は,冒頭でお話になられたご自身の誕生から現在までの経歴,そして,教育者を前職とする知事ならではの考え方でもあるなあ,と思いました.

一通りお話が終わった後には,「真打登場」とスライドがかわり,いよいよくまモンが登場(知事は前座なのだろか?).登壇したくまモンは「くまもとサプライズ」を踊りまくり.一見する限りでは,半開きの口と無表情そうなお顔のくまモンですが,体全体で満足さを醸し出していました.そして,踊り終えたくまモンは,知事と会場との質疑応答のため会場を退出.その後は,会場出口にきりっと立ち,観客の皆さん一人ひとりにお土産の名刺をくばりながら,しっかりと握手をし続けていました(くまなので当たり前ですが,がっしりとした掌でした).

本日現場でお話を聞いていても気付きませんでしたが,テレビ熊本で放送された,次のニュース映像をみて自覚.「くまモン」のアクセントをすっかりと勘違いしていました.「くま」であがるのではなく,平板化に近かったのですね.なるほど.