兵庫県町村会(会長・戸田善規多可町長)の12町が毎年度4町ずつ、東日本大震災で大きな被害が出た山元町に輪番で応援職員を派遣している。各町から1人が1年間の任期で担当する。職員が少ない自治体が負担を分け合って復興支援に取り組むのは全国でも珍しい方式だという。
 2012年度から実施し、本年度は猪名川、市川、福崎、上郡の4町が職員を派遣している。猪名川町の高村侑加さん(24)は町民生活課で住民に対する窓口業務に当たる。「復興支援に携わりたくて志願した。町村会の募集は派遣期間が長期なので絶好の機会だと思った」と話す。山元町は町域の4割が津波で浸水し、635人が犠牲となった。震災直後から、斎藤俊夫町長は膨大な復興業務を担う応援職員の派遣を全国の自治体に依頼。8月1日現在で60自治体、2企業と復興庁から全職員の4割近い115人が働く。同町村会は1995年の阪神・淡路大震災の経験から派遣には当初から前向きだったが、各町の職員数は130〜300人程度。マンパワー不足を補うために輪番制を採用した。町村会の西岡強事務局長は「規模の小さい自治体が、単独で職員を継続して長期に派遣するのは負担が重い。輪番で復興の現場を広く経験できるのは利点だ」と明かす。本年度で12町が一巡するが、同町村会は来年度から3年間の継続を決めた。「震災を経験した痛みはよく分かる。被災地同士、積極的に支援したい」と西岡事務局長。斎藤町長によると、震災から3年半たち、派遣要請に対する他の自治体の反応は芳しくないという。「(2015年度までの)復興集中期間が過ぎても多くの復興事業が残っている。町村会の決断は大変心強い」と感謝している。

本記事では,兵庫県町村会における応援職員の取組を紹介.
本記事によると,同会では,同会に属する「12町村」*1が,「各町から1人が1年間の任期」による応援職員を「輪番」制により山元町に派遣されてきたことを報道.いわば1対多による「ペアリング支援(pairing support)」*2を実施される同取組.興味深い.応援職員間での業務の継承方法などは,ぜひ伺ってみたい.要確認.

*1:兵庫県町村会HP「組織概要

*2:Samuels,Richard J.(2013)3.11: Disaster and Change in Japan, Cornell UP,p.173.

3.11: Disaster and Change in Japan

3.11: Disaster and Change in Japan