東京都の舛添要一知事は6日の記者会見で、2020年東京五輪・パラリンピックに向け、浜離宮恩賜庭園(中央区)に明治期の迎賓施設「延遼館」を復元する方針を明らかにした。外国の要人をもてなす和風の迎賓館として活用し、一般にも公開する予定。都は来年度予算案に調査費約1億円を計上し、五輪開催までの完成を目指す。
舛添知事は「浜離宮は都心の良い場所にあり、五輪競技を観戦したVIPを船でお連れして迎賓できる」と述べた。都によると、延遼館は明治2年(1869年)に完成した近代日本最初の迎賓施設で、建築面積は約1430平方メートル。同12年には第18代米大統領を務めたグラント将軍も滞在した。老朽化のため同22年に解体され、跡地は更地になっている。
舛添知事は昨年2月の就任後、外国の要人をもてなす新たな迎賓館を整備する考えを示し、浜離宮のほか、国の迎賓館赤坂離宮(港区)や京都迎賓館(京都市)の視察などを重ねてきた。
本記事では,東京都における迎賓施設の整備方針を紹介.
2015年1月6日の同都知事記者会見では,「特別史跡に指定されて」いる「浜離宮恩賜庭園」に,「建築面積が約1430平米」「平家造り,木造石張り」の「近代日本最初の迎賓施設」であった「延遼館」を復元」*1する方針が紹介.同復元は,「あくまでも文化財なので,文部科学省,文化庁」と「緊密な協議をしながら,あくまで文化財の復元」として「やっていきたい」*2とされている「歴史が場所につく」*3とはいえ「時代の要請」*4もある模様.復元の過程は,要経過観察.
*1:東京都HP(知事の部屋:舛添知事記者会見)「舛添知事定例記者会見平成27年1月6日(火曜)14時00分〜14時29分)」
*2:前掲注1・東京都(舛添知事定例記者会見平成27年1月6日(火曜)14時00分〜14時29分))
*3:水谷三公『将軍の庭 浜離宮と幕末政治の風景』(中央公論新社,2002年)25頁
*4:鈴木博之編『復元思想の社会史』(建築資料研究社,2006年)8頁