京都市は3日、セキュリティー面で京都府警から対策を求められていた市の公衆無線LANについて、10月から接続時にフェイスブックツイッターなどのアカウント(IDとパスワード)やメールアドレスの入力が必要な認証方式を採用することを明らかにした。新たな方式により、利用者の特定が困難という問題を改善できるという。
 公衆無線LANは観光客の利便性向上の一環で設置が進み、市のシステムではスマートフォンなどの画面で利用規約に同意するだけでインターネットを使用できる。手軽な半面、利用者の特定が非常に難しく、薬物の取引やサイバー攻撃などに悪用される恐れがあるとして、府警が3月に市に改善を求めていた。
 10月1日以降は、接続の際、フェイスブックツイッター、グーグル、ヤフージャパンのいずれかのアカウントか、メールアドレスを入力しないと利用できないように変更し、利用者特定の手がかりを得られるようにする。
 また、有害なサイトに接続できないフィルタリング機能も強化し、従来の児童ポルノ関連だけでなく、アダルトや違法行為に関するサイトも閲覧できないようにする。
 門川大作市長は3日の定例会見で「これまでに犯罪に利用されたと確認はされていないが、今後何が起きるか分からない。利便性と同時に安全性を確保する必要がある」と述べた。

本記事では,京都市における公衆無線LANの取組方針を紹介.
従前より「他の多くの自治体や民間が設置している無料公衆無線LANと同程度の安全水準を確保」をし「誰もが設定不要で簡単」できることを目的としつつ,他方で「無線区間」の「暗号化は行って」*1は来なかった同市による公衆無線LANの取組.本記事によると,「利便性と同時に安全性を確保する」観点から「接続時に」「フェイスブックツイッター,グーグル,ヤフージャパンのいずれかのアカウントか」「メールアドレスを入力しないと利用できないように変更」される模様.今後の他の無料公衆無線LANへの「波及」*2の有無は,要観察.

*1:京都市HP(観光・文化・産業 観光市民・観光事業者向け事業等)「無料公衆無線LAN「KYOTO Wi-Fi」のセキュリティに関する本市の考え方

*2:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),250頁

公共政策学の基礎 (有斐閣ブックス)

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