【石垣】老朽化に伴う石垣市役所の建て替えをめぐって、市議会(知念辰憲議長)は11日、建設位置を市民に問う住民投票条例案を賛成多数で可決した。市美崎町の現在地での建て替えか、高台に位置する旧石垣空港跡地に移転するかの2択。実施日は条例施行から60日以内と定めており、市庁舎建設問題は来年2月中旬ごろまでに住民投票が実施されることになった。
 条例案は12月定例会最終本会議で提案され、賛成14、反対5の賛成多数となった。選択肢をめぐって県立八重山病院移転後の跡地を追加する修正動議が一部市議から発議されたが、賛成少数で否決した。条例は法的拘束力はないが、結果について市長と市議会は尊重しなければならないと定めている。
 建設地は「市新庁舎建設基本計画策定委員会」が全会一致での選定を目指し協議を重ねてきたが、利便性の高さや市街地活性化を訴える現在地派と、防災や高台建設で適用される国の高率補助などを期待する移転派で意見が割れ、最終的に投票を実施し1票差で現在地が選ばれた。年内に中山義隆市長へ答申する予定だった。中山義隆市長は「議会の可決を尊重し住民投票の準備を進めたい。住民投票の結果も尊重して判断材料にしたい」と話した。

本記事では,石垣市における庁舎移転に関する住民投票条例案の可決を紹介.
2013年8月19日付2015年11月30日付同年12月1日付の各本備忘録では,同市内に設置されている竹富町役場の移転に関して記録.他方,本記事では,同市役所の建築・移転に関する検討状況を紹介.同市では,「石垣市新庁舎建設基本計画策定委員会」を設置し,2015年11月27日に開催された第7回では,「1現地」「 2空港跡地」 「3現八重山病院」の「3ヶ所の候補地が決定」とする答申「素案」*1が検討.本記事によると,同市議会において,2カ所の候補地を対象とする市役所の移転に関する住民投票条例案が可決された模様.庁舎という「公共財の意思決定」*2の結果は,要確認.

*1:石垣市HP(企画部 企画政策課)「資料8石垣市新庁舎建設基本計画 (素案)」10頁

*2:坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か 』(岩波書店,2015年)156頁