【石垣】石垣市役所の建て替えをめぐり建設位置を問う住民投票について、石垣市は31日、予定通り2月7日に実施することを告示した。期日前投票は1〜6日まで市新川の双葉公民館で行われる。投票は市美崎町の現在地と高台にある旧石垣空港跡地の2択。
 7日は市内の小中学校や公民館計21カ所で、午前7時から投票を開始する。時間は午後6、7時まで。即日開票される。
 建設地については市新庁舎建設基本計画策定委員会が市美崎町の現在地での建て替えを提言する答申を中山義隆市長に提出している。
 条例は市長と市議会に対し結果を尊重しなければならないと定めているが、中山義隆市長は「答申も住民投票も参考にし、総合的に判断したい」としている。

本記事では,石垣市における庁舎移転に関する住民投票の取組を紹介.
2015年12月14日付の各本備忘録で記録した同市役所の建築・移転に関する検討.本記事にて紹介されている通り2016年1月31日に「公示」され,2016年「2月7日」*1に実施.選択肢は「現庁舎敷地での建設に賛成」か,「旧空港跡地での建設に賛成」*2の2択となる.
同市が作成された現庁舎敷地と旧空港跡地を比較した資料に基づくと,「敷地面積」では「11,128㎡」と「約478,000m²」,「延床面積」は双方ともに「12,470㎡」,ただし,「敷地面積」は「11,128㎡」と「21,294㎡」,「階数」は「中高層(試算において6階を想定)」と「低層(試算において2階を想定)」,「駐車場」はいずれも「300台」,「人口重心」は「約2.0km」と「約1.7km」に位置し,「バスターミナルからの距離」は「約0.3km」と「石垣空港線整備後」に「約3.9km」*3となる.「海抜」は,前者が「約2.5m」,後者は「約26m」,同市が位置する「沖縄県想定」による「津波浸水深」は前者は「2m以上5m未満」となり,後者は「津波浸水想定なし」*4となる.そのため「地震時の液状化の可能性」は現庁舎敷地は「高い」が旧空港跡地「低い」,前者「下水道整備の見通し」は「整備済み」であるものの,後者は「要15~16年」*5となる.
「基本構想時」の「概算事業費」は前者は「約67億円」と「土地代で変動ありうる」ものの「約64億円」,ただし,「緊急防災・減災事業」は前者が「活用不可」となり「市負担額」が「約67億円」ではあるが,後者は「活用可」となり「市負担額」は「約39億円」*6となる.「中心市街地活性化」は,前者は「継続的な発展が見込まれる」ものの,後者は「現庁舎敷地の活用等含め今後検討を要する」*7ことになる.
「その他留意事項」としては,以上からも前者は「地震津波等の災害の影響を受け る可能性がある」こと,後者は「周辺地域のまちづくり等について今後検討を要する」*8ことがあげられている.市内での「都市の中心」*9をめぐる投票結果は,要確認.

*1:石垣市HP(選挙管理委員会)「石垣市新庁舎の建設位置に関する住民投票について

*2:石垣市HP(企画部 企画政策課)「新庁舎建設位置に関する住民投票について

*3:石垣市HP(企画部 企画政策課新庁舎建設位置に関する住民投票について)「新庁舎建設

*4:前掲注3・石垣市(新庁舎建設)

*5:前掲注3・石垣市(新庁舎建設)

*6:前掲注3・石垣市(新庁舎建設)

*7:前掲注3・石垣市(新庁舎建設)

*8:前掲注3・石垣市(新庁舎建設)

*9:砂原庸介「庁舎と政治 都市の中心をめぐる競合と協調」御厨貴,井上章一『建築と権力のダイナミズム』(岩波書店,2015年)138頁