東京都の都政改革本部(本部長・小池百合子知事)は1日、都職員の生活と仕事の両立に向けた具体策を検討する調査チームを設ける方針を決めた。働き方改革や仕事の進め方などについて現場が抱える課題を整理し、職場の環境改善や生産性向上、職員の成長につなげる。夏から順次、対策を実行に移す。
 「都庁ライフ・ワーク・バランス実現プロジェクトチーム(仮称)」は中西充副知事が座長となり、関係局の職員や特別顧問らで構成。まず全職員から職場で日ごろ感じている疑問と改善へのアイデアを募る。4月までに課題をテーマ別に分類し、5月からはテーマごとに置く作業部会などで解決策を検討する。
 検討テーマはフレックスタイムなど柔軟な勤務時間制度の検討、会議のぺーパーレス化などを想定する。都では1月30日に生活と仕事の両立に向けた推進プランを公表しており、一連の取り組みで改革実現を目指す。
 小池知事は1日の会合で「仕事の量を減らすというよりは質を変える。生産性の高い都庁にし、その変化が社会的な動きにつながるようにしたい」と強調した。

本記事では,東京都におけるライフワークバランスの取組方針を紹介.
同都では,同都の「『ライフ・ワーク・バランス』推進プラン」に「掲げた取組を全庁的に推進」することを目的に,「プロジェクトチーム」を「結成」*1.構成は,「総務局のほか」「ライフ・ワーク・バランスの各制度を所管する関係局の職員及び特別顧問等」*2.同プロジェクトチームに加えて「検討事項・内容ごとに実務者を中心とする」「ワーキンググループ」も「設置」*3する.
「検討事項」の「案」としては,「働き方改革」「仕事の仕方改革」「能力開発」の3項目.一つめの「働き方改革」では,「時差勤務の活用促進やテレワークの推進等柔軟な働き方の推進」,「フレックスタイムの導入等,柔軟な勤務時間制度についての検討 」,「「昼休み改革」及び「朝活」・「夕活」の推進」,「イクボス宣言の定着,育児・介護と仕事の両立を応援する職場づくり」,「ハラスメントを生まない職場づくり」,「29年度から導入する360度フィードバックの着実な実施と検証,拡大」,「係制廃止の趣旨を活かした弾力的な組織運営」*4が検討項目となる.
二つめの「仕事の仕方改革」では,「会議やオフィスのペーパーレス化の推進」,「各局の自律改革の好事例を標準ルール化して会議の効率化を促進」,「庁内における調査ものの簡素化・効率化」,「意思決定手続きの効率化・迅速化」,「会議の記録化の推進」,「事務引継ぎルールの徹底」*5が項目となる.
三つめの「能力開発」は「職員をプロ集団化するための高度・専門的な研修や人事交流」,「プロジェクトチームの活用等,チームワークの推進」が項目とされている.
2017年「2月~4月」に「アンケート実施」「課題整理・分類」,同年「5月」に「PT,WGでの検討」,同年「夏以降」に「解決策の提案の検討と現場への還元」*6を予定されている.
「大部屋主義であるがゆえに,一方で仕事をカバーし合い助け合うことができますが,一所で仕事を分担する仕組みであるがゆえに同僚への配慮を欠いた言動・態度はひんしゅくを買いやすいのです」*7とも評されることがある職員の執務空間.上記の検討結果は,要確認.

*1:東京都HP(都政改革本部都政改革本部会議(第6回)会議資料)「配布資料4 新たなプロジェクトチームの設置について」1,2頁

*2:前掲注1・東京都(配布資料4 新たなプロジェクトチームの設置について)2頁

*3:前掲注1・東京都(配布資料4 新たなプロジェクトチームの設置について)2頁

*4:前掲注1・東京都(配布資料4 新たなプロジェクトチームの設置について)4頁

*5:前掲注1・東京都(配布資料4 新たなプロジェクトチームの設置について)4頁

*6:前掲注1・東京都(配布資料4 新たなプロジェクトチームの設置について)3頁

*7:大森彌『自治体職員再論』(ぎょうせい,2015年)222頁

自治体職員再論~人口減少時代を生き抜く~

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