県は二〇一七年度から、育児をしながら働く女性に限り、家事代行サービスの利用料を補助する方針を固めた。共働き率日本一の福井で賛同企業を募り、女性活躍を後押しする。県によると、行政が家事代行によって女性の負担軽減に踏み込む例はほとんどない。
 六日の県男女共同参画審議会で、県が説明した。家事代行は、三月に策定する第三次県男女共同参画計画(一七〜二一年度)に盛り込まれる見通し。
 初年度は、女性が働きやすい環境づくりに取り組む「ふくい女性活躍推進企業」百三十五社のうち、家事代行を福利厚生として制度化する意思のある三社を選んで補助金を出す。
 小学六年生までの子を持つ女性社員を対象に、民間家事代行業者のサービス料を、本人が二分の一、県と企業が四分の一ずつ負担する。
 県女性活躍推進課によると、県内の家事代行サービスは一回二時間で五千〜六千円が相場。内容は掃除や洗濯が多いという。一社当たり百人を上限とし、回数は一人につき二回まで補助する。期間は夏の三カ月を想定。補助は数年続け、最終的には企業負担で制度を定着させてもらう。
 一〇年の国勢調査では、県内の共働き率は56・8%で全国一位。育児中の女性が仕事をしている割合は72・1%で全国三位と、いずれも高い。同審議会の石井昌子会長(お茶の水女子大大学院教授)は「日本人は外部の人を自宅に入れる習慣がないが、若い世代はオープンになっている。育児ストレスを感じるなら、他人の力を借りた方がいい」と事業の利用を勧める。(山本洋児)

本記事では,福井県における家事代行サービスへの補助実施の方針を紹介.
同県が設置する「男女共同参画審議会」*1において,本記事によると「家事代行を福利厚生として制度化する意思のある3社を選んで補助金」する仕組み案が示された模様.「家事労働はなくならない」*2なかで,同仕組みの詳細は,公表後,要確認.

*1:福井県HP(教育・子育て男女共同参画・社会貢献活動・人権男女共同参画)「男女共同参画審議会

*2: ルース・シュウォーツコーワン『お母さんは忙しくなるばかり』(法政大学出版局,2010年)244頁

お母さんは忙しくなるばかり―家事労働とテクノロジーの社会史

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