政府は10日、住民訴訟で敗訴した首長らの賠償支払いに上限を設定する地方自治法改正案を閣議決定した。公金支出を巡る訴訟で敗訴した首長側が、軽微なミスで巨額の賠償を命じられるケースがあり、負担軽減が必要と判断した。公金支出の監視強化なども盛り込んだ。今国会で成立させ、2018年度からの段階的な施行を目指す。
 改正案では、首長や職員らが関与した支出が違法であっても、過失が軽いと裁判所が判断した場合に限り、一定額以上の賠償を免除できるようになる。自治体が条例で上限額を定め、施行後の公金支出から適用する。
 上限額は、国が年収の6倍程度とする基準を示す方針だ。

本記事では,地方自治法等の改正案の閣議決定について紹介.
2016年3月2日付及び2017年1月20日付の両本備忘録で記録した同法改正「案」*1.「都道府県知事及び指定都市の市長」は「内部統制に関する方針を定め」「これに基づき必要な体制を整備」し「毎会計年度,内部統制評価報告書を作成し」「議会に提出」すること,監査委員は「監査基準に従うこととし」「監査基準は」各自治体の「監査委員が定め」「公表」すること,その他では「勧告制度の創設」,「議選監査委員の選任の義務付けの緩和」,「監査専門委員の創設」,「条例により包括外部監査を実施する」自治体の「実施頻度の緩和」すること,そして,「条例」によって「長や職員等の」自治体に対する「損害賠償責任」が「その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは」「賠償責任額を限定し」「それ以上の額を免責する旨を定めることを可能」*2とされている.「自治体行財政に対する規律付け」*3を主とした同法改正案.審議過程,要観察.

*1:総務省HP(所管法令国会提出法案)「地方自治法等の一部を改正する法律案

*2:総務省HP(所管法令国会提出法案)「地方自治法等の一部を改正する法律案の概要

*3:伊藤正次「第31次地方制度調査会における「ガバナンス」」『都市問題』Vol.107,2016年10月,46頁

都市問題 2016年 10 月号 [雑誌]

都市問題 2016年 10 月号 [雑誌]